アルミンク&新日フィル ~ブラームスはお好き~
2011年9月4日(日)4:00PM 可児市文化創造センター主劇場

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 7月18日に見た《トリスタンとイゾルデ》で大変に感心したクリスティアン・アルミンク指揮の新日本フィルハーモニー交響楽団が岐阜県の可児市までやって来てくれる。
 しかも演奏する曲目が僕の大好きなブラームスの交響曲第3番とピアノ協奏曲第1番ということで、大変楽しみにしていたコンサートです。

 台風12号は日本海に抜けたのに名古屋は雨と風が強く、会場の可児市文化創造センターに電話して本日のコンサートが予定通り行われることを確認してから出発です。
 横なぐりの雨に打たれながら、傘はひっくり返るし、徒歩3分の地下鉄駅に着いたときにはびしょ濡れ状態で参りました。

 平安通駅で上飯田線に乗り換え、犬山駅で11:54発の名鉄広見線・新可児行に乗り込みます。
 目の前にヴァイオリンを持った女性が座っておられまして、もしやと思って声を掛けたところ、果たして新日フィルのメンバーの方でした。

 昨日は東京で本日と同じコンサートが行われ、今日は可児市に現地集合の日帰り。
 今朝の東京は晴れていて、名古屋の雨と風とにはビックリしたとのこと。
 新幹線が止まらなくて良かったですね (^_^) 。
 7月に《トリスタンとイゾルデ》を聴きに行った話などで、楽しい時間を過ごせました。

 気が付くとこの列車の各車両には新日フィルのメンバーがバラバラに乗り込んでいて、団体貸し切り状態。
 指揮者のアルミンクも同じ列車に乗っていました。

 会場に近い日本ライン今渡駅に到着したのは12:06。
 我が家から1時間ちょっとですか。
 豊田市コンサートホールくらいの所要時間ですね。

 会場の可児市文化創造センターは、地方都市には不似合いなほど立派な劇場でした。
 この劇場と新日フィルは2008年4月から地域拠点契約を結んでおり、コンサートだけではない文化交流が行われているそうです。

新日フィルのメンバー 可児市文化創造センター
右手に喫煙中のアルミンク ロビー


 まずは1時からのゲネプロ見学に参加します。
 定員は30人で、僕はギリギリ最後の一枚を手に入れたのでした。
 ロビーで説明を受けているときにアルミンクが来てくれまして、いろいろお話をしてくれました。
 
 ブラームスの交響曲第3番は世界的に見ても演奏回数が少ない。
 それは技術的に難しく、最後が静かに終わって演奏効果が上がらないため。

 僕は山岡重信先生の指揮でこの曲を演奏したことがあり、山岡先生の音楽が僕の理想として心に刻み込まれているのですが、言われてみれば実際にプロのオーケストラのブラ3を聴くのは、名フィルのブラームス・チクルスに次いで2回目かも知れません。
 
 ほかの話としては、アルミンクが難しい曲に挑戦して練習時間が長くなり、家族サービスが疎かになっているため、奥様に不平を言われるとか。
 アルミンクには2人のお子さんがあるそうです。

 ということで、ゲネプロ見学です。
 金曜日、土曜日と東京で同じプログラムで演奏しているため、練習はあっさり流す程度。
 アルミンクは英語で指示を出し、和気藹々とした雰囲気の中で練習が進みました。
 アンコールの練習で、ヴァイオリンがいなくなってしまったのにはビックリしました。

 ゲネプロの後は新作ケーキのティータイムです。
 アルミンクも途中から参加して、参加者からの質問に答えてくれました。
 気さくでいい人みたいです。
 最後にアルミンクとの記念撮影まであったのには驚きました (@o@)。

レストラン 新作ケーキ
質問に答えるアルミンク アルミンクを囲んでの記念撮影


 アルミンク&新日本フィルハーモニー交響楽団
     ~ブラームスはお好き~
   2011年9月4日(日)4:00PM
   可児市文化創造センター主劇場

 指揮:クリスティアン・アルミンク
 ピアノ:清水和音

 ピアノ協奏曲第1番
 交響曲第3番

 ピアノ協奏曲では清水和音さんのピアノに感心しました。
 煌めくような弱音からオーケストラを圧倒する強音まで、僕にとっては理想のブラームス。
 文句の付け所がありません。
 清水さんは今年がデビュー30周年なのだそうです。
 
 後半の交響曲第3番も素晴らしかった。
 僕はこの曲の鬱々として陰にこもったブラームスらしい熱情が大好きなんですが、さらりと流したゲネプロとは違って、本番はスケールが大きい演奏でした。
 僕は2階の最後列で、周りに人はいなかったのですが、興奮して時々手を振り上げたりして (^_^ゞ。

 ヴァイオリンがいないアンコールは、ブラームスのセレナーデ第2番、第2楽章。
 ヴァイオリンなしのアンコールは初めて見ました。

 帰りの名鉄電車は、またまた新日フィルの貸し切り状態でした。
 「アルミンクだけではなく、ハーディングやメツマッハーも良い指揮者ですから、東京のコンサートにも来て下さい」と誘われましたが、なかなか踏み切れませんね。
 もし僕が東京に住んでいたら、どんな生活を送っていたのだろう?

 その後、可児市文化創造センターから、サイン入りの記念写真が送られてきました。
 1500円でここまでのサービスをしていただけるとは、有り難いばかりです。
 

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