カザルス弦楽四重奏団
2011年11月26日(土)6:00PM 宗次ホール

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 世界のカルテット∞カルテットの世界
 SQ.20 カザルス弦楽四重奏団

 2011年11月26日(土)6:00PM 宗次ホール

・カタロニア民謡:鳥の歌
・シューベルト:弦楽四重奏曲第13番「ロザムンデ」
・ボッケリーニ:弦楽四重奏曲 作品32-5
・ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第8番 作品110

 ヴェラ・マルティネス・メーナー(ヴァイオリン)
 アベル・トマス・レアルプ(ヴァイオリン)
 ジョナサン・ブラウン(ヴィオラ)
 アルナウ・トマス・レアルプ(チェロ)

 プログラムによれば、カザルス弦楽四重奏団は1997年にマドリッドで結成された。
 同カルテットは、アルバン・ベルク弦楽四重奏団、ヴァルター・レヴィン(ラサール弦楽四重奏団)、ライナー・シュミット(ハーゲン弦楽四重奏団)、ヴェロニカ・ハーゲン(ハーゲン弦楽四重奏団)等のもとで研鑽を積んだ。

 2000年ロンドン国際弦楽四重奏コンクール優勝(ユーディ・メニューイン賞)、2002年ハンブルグのヨハネス・ブラームス国際弦楽四重奏コンクール優勝を始めとする数々の国際コンクールで最高賞に輝いている。

 カザルス弦楽四重奏団は珍しいことに、立ったままで演奏しました (@o@)。
 チェロは指揮台を2段積み重ねたくらいの高さの台の上で、もちろん椅子に座って演奏します。

 カザルス弦楽四重奏団はレベルの高い弦楽四重奏団でした。
 宗次ホールの「世界のカルテット∞カルテットの世界」シリーズには、ただただ感謝です。
 
 カルテットというと、オーケストラに所属するメンバーが時々集まってコンサートを開くような場合も多いと思います。
 このようなアンサンブルは第一ヴァイオリンが主導権を取るのでしょうが、各自が勝手に弾いていて、全体としてのまとまりを感じることが少ないような気がします。

 僕が好きなのは、アンサンブルとして一つのまとまった音楽を演奏してくれるカルテット。
 ボーイングを揃えるだけではなく、弓のスピード、使う場所まで合った、カルテットの前に指揮者がいるような演奏ですね。
 そのためには、カルテット全体として指導者に学ばなくてはならないでしょう。
 カザルス弦楽四重奏団は世界的にトップクラスのメンバーに学んでいるようで、その成果は十分に感じることが出来ました。
 
 第一ヴァイオリンのメーナー(女性)は大変に技術的レベルが高い。
 第二ヴァイオリンは少し技術的に落ちるので、メロディーの受け渡しにギャップを感じるところがありました。
 11月5日に聴いたエベーヌ弦楽四重奏団では、このようなギャップを感じることがありませんでした。

 ボッケリーニの弦楽四重奏曲とは珍しい曲でした。
 プッチーニと同じルッカ(イタリア)生まれのルイジ・ボッケリーニ(1743年~1805年)は、1769年にスペインの宮廷に招かれ、マドリッドで後半生を送ったそうです。
 プログラムによれば100曲以上の弦楽四重奏曲を作曲しているそうで (@o@)、スペイン人のカザルス弦楽四重奏団には彼の作品を演奏していく義務(?)があるでしょう。

 この曲ではヴァイオリンが入れ替わって、レアルプが第一ヴァイオリンを弾きました。
 彼はバロックスタイルの弓を使って演奏しましたが、左手のビブラートは掛けていまして、その意図はよく分かりませんでした。
 曲は残念ながら、あまり印象に残る曲ではありませんでした。

 アンコールは「こんばんわ」というメーナーの紹介で、ショスタコーヴィチの「ポルカ」とファリャの「粉屋の踊り(三角帽子)」。
 「ポルカ」は5月25日のアトリウム弦楽四重奏団のアンコールでも聴いたことがあり、ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲が演奏された後の、アンコールの定番でしょうか。
  アトリウム弦楽四重奏団も大変にレベルの高いアンサンブルでしたね。
 
 
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