名古屋二期会オペラ公演 《セヴィリアの理髪師》
2013年11月30日(土)5:30PM 愛知県芸術劇場大ホール

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 名古屋で《セヴィリアの理髪師》が上演されるのは久しぶりだそうです。
 今回のメンバーは名古屋二期会のベテランに、ロッシーニテナーとして評価を高めている中井亮一さんを賛助として招いたキャスティング。
 中井亮一さんは名古屋芸術大学の卒業生で、僕は彼が大学2年生だった1998年3月14日の学生公演 《蝶々夫人》から見ています。

 名古屋二期会オペラ公演 《セヴィリアの理髪師》
 2013年11月30日(土)5:30PM
 愛知県芸術劇場大ホール

 指揮:園田隆一郎 演出:中村敬一

 アルマヴィーヴァ伯爵:中井亮一
 バルトロ:水谷和樹
 ロジーナ:やまもとかよ
 フィガロ:澤脇達晴(賛助)
 バジリオ:灰塚弘
 ベルタ:森本ふみ子
 名古屋二期会オペラ管弦楽団
 名古屋二期会合唱団

 今回の上演の最大の驚きは回り舞台が使われたこと (@o@)。
 名古屋二期会が回り舞台を使うのは1992年11月に「愛知県芸術劇場開館記念公演」として上演されされた《ピーター・グライムズ》以来、ほぼ20年ぶりでしょうか。
 舞台奥から多数の村人を載せた巨大な舞台が回りながら出てきたときには、「すごい劇場が出来たものだ」と驚いたものです。
 しかしこの意欲的な公演は制作費がかかりすぎて、名古屋二期会は一時活動を休止することになってしまいました。

 今回の《セヴィリアの理髪師》は大丈夫なのでしょうか?
 お話を聞くと、20年前は舞台を回すために東京のスタッフが必要だったけれど、今では名古屋のスタッフで舞台を回せるようになったそうです。
 回り舞台はバルトロ家の外になったり中になったり、雑音も無くクルクルまわる舞台を見るのは快感でした。
 中村さんの演出はオーストドックスなものでした。

 指揮の園田隆一郎さんはローマ歌劇場でジャンルイジ・ジェルメッティに師事。
 またロッシーニの権威であるアルベルト・ゼッダにも師事。
 2007年にはペーザロのロッシーニ・オペラ・フェスティバルで《ランスの旅》を指揮しました。
 この時にオーディションに合格した中井亮一さんと共演されているそうです (@o@)。
 日本におけるロッシーニ指揮者の第一人者となるべき方で、2012年11月10日の関西二期会《コジ・ファン・トゥッテ》の時と同じようにチェンバロを弾きながらの指揮でした。

 今回の会場は愛知県芸術劇場大ホールですが、キャスト、オーケストラ、舞台空間、いずれにとってもこのホールは巨大すぎて、こぢんまりとした印象を持ってしまいました。
 ロッシーニは難しいんですよ、とオペラ仲間に言われました。