コルンゴルト《死の都》 沼尻竜典オペラセレクション
2014年3月9日(日) 2:00PM びわ湖ホール大ホール

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 コルンゴルト《死の都》 沼尻竜典オペラセレクション
 2014年3月9日(日) 2:00PM
 びわ湖ホール大ホール

 指揮:沼尻竜典 演出:栗山昌良 

 パウル:山本康寛
 マリー/マリエッタ:飯田みち代
 フランク:黒田 博
 ブリギッタ:池田香織
 フリッツ:晴 雅彦

 京都市交響楽団
 びわ湖ホール声楽アンサンブル、大津児童合唱団、

 《死の都》は96年9月8日に井上道義さんによる演奏会形式を聴きましたが、曲についてはあまり覚えていません。

 第一幕は沼尻さん指揮する京都市交響楽団の力のこもった演奏と、経種廉彦の代役で出演したパウル役の山本康寛さん(びわ湖ホール声楽アンサンブル)の大健闘に感心しました。
 パウル役はヘルデンテナーで高い音が連続するという過酷な役で、最後まで声が持つのか心配しましたが、山本さんは立派な成果を上げられました。

 パウルの部屋には亡き妻マリーの絵が掛けられているのですが、この絵が白くて、マリーの姿を確認するのが難しかった。

 第二幕ではパウルの部屋が舞台奥に引っ込み、舞台全体が奈落からせり上がるという、この劇場の持つダイナミックな機能を楽しませていただきました。
 栗山昌良さんの演出で1996年7月6日、7日に愛知県芸術劇場大ホールで上演された 《トゥーランドット》や、1990年の愛知県芸術劇場大ホール《カルメル会修道女の対話》のセリ上がりを思い出しました。

 そういえば、飯田みち代さんを初めて拝見したのも、1994年9月3日に愛知県芸術劇場コンサートホールで上演された、栗山昌良演出によるブリテンの《ネジの回転》でした。

 さて《死の都》の舞台に戻って、セリ上がりには感心したものの、第二幕の途中から話が分からなくなりました。
 話が分からないと、音楽にも面白くない部分が出てきます。

 後から考えると、舞台上の人物は立ったままで歌い、ドラマがないんです。
 あらすじによると、第二幕の最後でパウルとマリエッタは熱く抱きしめ合うそうですが、何事も起こりません。
 だから第三幕になって、マリエッタが寝間着姿で現れても、どうして二人が一緒に暮らしているのが分からないんです。

 栗山さんは88歳ですか?
 2009年11月22日に観劇した関西二期会の《フィデリオ》もオラトリオのような、オペラらしからぬ演出でした。
 今回は岩田達宗さんが演出補に付いていたから、大丈夫かと思ったのですが‥‥。

 カーテンコールでは第二幕の舞台のセリ上がりが再現され、これは受けました (^_^) 。