セントラル愛知交響楽団第144回定期演奏会
~ボヘミア・煌めきの調べ~
2015年11月27日(金)6:45PM 三井住友海上しらかわホール
 
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 僕が初めてレオシュ・スワロフスキーを聴いたのは2012年6月22日のセントラル愛知交響楽団第120回定期演奏会、ドヴォルザーク 『スラヴ舞曲 全曲』でした。
 セントラル愛知交響楽団を率い、珍しい演目で、本場以上の演奏を繰り広げたレオシュ・スワロフスキーに僕は驚嘆してしまいました。
 その日は平日だったので、前半を聴き逃したことを人生の痛恨事として、今でも悔しく思っています。

 今回は久しぶりのオール・ドヴォルザーク・プログラム。
 再び人生に悔いを残すようなことの無いよう、仕事を途中で抜け出して、演奏会に備えました。

 これほどの思いでこのコンサートに臨んでいる僕にとっては信じられないことに、会場には空席も見られました。
 曲目がマニアックすぎたでしょうか?

 同じ時間に愛知県芸術劇場コンサートホールでは飯守泰次郎さん指揮する愛知県立芸術大学管弦楽団のコンサートがありまして(『ロマンティック』チケット1000円。僕も買っていました)、悔しいバッティングは無念なことでした。
 飯守さんの『ロマンティック』は2014年3月30日に関西フィルで聴きましたが、飯守さんにブルックナーは合わないのではないか?という印象が残っています。


 第144回定期演奏会~ボヘミア・煌めきの調べ~
 2015年11月27日(金)6:45PM
 三井住友海上しらかわホール

 ドヴォルザーク:弦楽セレナードホ長調
 ドヴォルザーク:管楽セレナードニ短調
 ドヴォルザーク:チェコ組曲ニ長調

 チラシに載っていたレオシュ・スワロフスキーの言葉です。
 11月の演奏会は、アントニン・ドヴォルザーク作曲した弦楽セレナーデと管楽セレナーデ、2曲のセレナーデを演奏いたします。
 私が最も愛する作曲家・ドヴォルザークの2曲のセレナーデはとても美しく、特に弦楽セレナーデは世界中で最も人気のある室内楽曲の一つです。
 2曲のセレナーデは、とても音楽的で技術的に高度なため、オーケストラにとっては難曲です。
 コンサートの最後を飾るのは、ドヴォルザークのチェコ組曲です。この作品には、とても有名で典型的なチェコの踊りの様式・ポルカ、ソウセツカー、フリアントが含まれています。
 きっとご来場の皆さまはその素晴らしいチェコの芸術に感激されることでしょう。

 冒頭からボヘミアの香りがする弦楽セレナードは昔から大好きなのですが、本日の演奏は少し大人しかったでしょうか。
 後に書くように、ソロコンサートマスターの島田真千子さんの責任もあるような気がします。

 指揮者を囲んで奏者が半円形に並んだ管楽セレナードは、ずっと面白い演奏でした。
 管楽器の多彩な音色が心地よい。
 モーツァルトの『13管楽器のセレナード』を思い出しましたが、ドヴォルザークは11人の演奏でした。

 後半のチェコ組曲ニ長調は期待どおりの演奏で、会場は燃え上がりました。
 このような珍しい演目で、これ以上の演奏は、世界中でも聴くことは出来ないでしょう。
 アンコールはチェコ組曲ニ長調の繰り返しでした。

 サイン会に並んでみました。
 スワロフスキーは真っ赤な顔で、頭から湯気が立つハイテンション。
 「名古屋は第2の故郷(ふるさと)です!」と日本語で叫んでいました。
 これだけの精神状態にならないと、あれだけの演奏は出来ないのだろうなあ、と思ったことです。

 ソロコンサートマスターの島田真千子さんは11月22日の水戸室内管弦楽団に続いての登場です。
 しかし残念ながら、彼女の演奏はオーケストラに対する指示や団員に対するアイコンタクトなども無く、自分だけの世界に閉じこもった演奏に(僕には)見えました。
 スワロフスキーの発するパッションが、島田さんでクールダウンされる感じかな。
 水戸室内管弦楽団はコンサートマスターの集団なので、多くの先輩方から学び、一刻も早く自分から音楽を発散し、オーケストラ全体を率いるコンサートマスターになっていただきたいと(僕は)思いました。