第17回ショパン国際ピアノコンクール 入賞者ガラ・コンサート
2016年1月27日(水)6:45PM 愛知県芸術劇場コンサートホール

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 第17回ショパン国際ピアノコンクール
    入賞者ガラ・コンサート
 2016年1月27日(水)6:45PM
 愛知県芸術劇場コンサートホール

・第6位:ドミトリー・シシキン(23歳/ロシア)
 スケルツォ 第2番 変ロ短調
ショパンコンクール ガラコンサート 2016/1/24
 長身細身 ヴィルサラーゼ門下

・第5位:イーケ・(トニー・)ヤン(16歳/カナダ)
 舟歌 嬰ヘ長調

 今回から応募年齢が16歳に引き下げられたため応募し、最年少入賞者となる。
 ダン・タイソン門下

・第4位エリック・ルー(17歳/アメリカ)
 24の前奏曲より

 ロバート・マクドナルド、ダン・タイソン門下。

・第3位:ケイト・リウ(21歳/アメリカ マズルカ賞)
 華麗なる円舞曲 ヘ長調
 幻想ポロネーズ 変イ長調

 唯一の女性。ピンクのドレスが新鮮でした。
 カーティス音楽院、ロバート・マクドナルド門下。

 後半の2人は協奏曲で、やはり前半の4人とはレベルが違うと感じました。
 現地でも、このどちらかが優勝するだろう、評判だったそうです。

・第2位:シャルル・リシャール=アムラン(26歳/カナダ ソナタ賞)
 ピアノ協奏曲 第2番 ヘ短調

 巨体。「テディベア」と呼ばれていたそうです。
 ルックスに似合わず、彼の燦めくような繊細な音色は魅力的でした。
 ファイナルで彼だけがピアノ協奏曲2番を弾いたそうです。。
 彼は「他のファイナリストは1番を弾いたので、審査員には喜ばれたんじゃないかな」と言っていますが、オーケストラにはいい迷惑だったことでしょう。
 5月にはオール・ショパンのリサイタルがあるので、ぜひ行ってみようと思います。

・第1位:チョ・ソンジン(21歳/韓国 ポロネーズ賞)
 ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調

 音楽監督&指揮:ヤツェク・カスプシック
 管弦楽:ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団

 チョ・ソンジンさんは2011年11月25日にしらかわホールのリサイタルを聴いたことがあり、このままショパンコンクールで優勝できるのではないかと思いました。
 本日の演奏も非の打ち所の無い立派な演奏かと思いました。
 チョさんだけがアンコールを弾きまして、「英雄ポロネーズ」。
 彼はポロネーズ賞を受賞したのでした。

 2015年12月23日にBS1で「もう一つのショパンコンクール~ピアノ調律師たちの戦い~」というドキュメントがありまして、スタインウェイ、ヤマハ、カワイ、ファツィオリ、の調律師たちの舞台裏の活躍が取り上げられていました。
 10人のファイナリストのうち7人がヤマハを選び、3人がスタインウェイを選びました。
 本日のガラコンサートでもソリスト6人のうち5人がヤマハを使っていましたが、ヤマハにとって残念だったのは、優勝者のチョ・ソンジンがスタインウェイを選んだことでしょう。
 しかしヤマハで演奏したリシャール=アムランの音は本当に美しかったですよ。
 ドキュメントでも彼が本戦で演奏する場面が出てきましたが、第2番の第2楽章にはちょっと痺れました。

 このドキュメントには個々のピアニストも取り上げられ面白かったのですが、日本人唯一のファイナリストである、小林愛美さんが(隅の方にしか)出てこない。
 小林愛美さんのドキュメントは2015年11月8日に放映された、情熱大陸「小林愛美/20歳が挑む!世界最高峰ショパンコンクール」。
 これはまったく彼女に密着したドキュメントで、独占契約でもあるのでしょうか?
 3歳から天才少女としてyoutubeで世界的な人気者となった小林さんがどのような大人のピアニストとなったのか、ファンの見つめる目が、彼女には痛かったことでしょう。
 僕もそんな興味で2010年8月31日の小林愛美リサイタルに行ってみたものです。

 今回の結果は残念でしたが、彼女はまだ20歳だそうですから、5年後にはまたチャンスがあるわけです。
 彼女が選んだ楽器はスタインウェイでした。