『千人の交響曲』小泉和裕&名フィル
2018年10月7日(日)5:00PM
日本特殊陶業市民会館 フォレストホール

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 僕は小泉和裕さんが苦手で、彼が名フィル音楽監督になってからは、彼の演奏会には行かないことにしています。
 しかしさすがに『千人の交響曲』となると、その決心も揺らいでしまいます。
 それに、久しぶりにファンの大隅智佳子さんを聴くことが出来るチャンスなんですから。

 今までに『千人の交響曲』を聴いたことがあるのは、まず1986年10月18日のサントリーホール・オープニング・シリーズ(若杉弘、東京交響楽団、ルチア・ポップほか)で、曲は覚えていませんが、パイプオルガンに床が震えたのは驚きました。

 2回目は2012年7月16日 指揮:井上道義 『名古屋マーラー音楽祭』でした。
 そして、今回が3回目になります。
 僕はマーラーの交響曲はどれも同じ曲に聞こえるので、予習もしませんでした。

 第461回定期演奏会〈ゲーテ『ファウスト』〉
 2018年10月13日(土)4:00PM
 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール

 マーラー:交響曲第8番変ホ長調『千人の交響曲』

 指揮:小泉和裕

 並河寿美(第1ソプラノ)
 大隅智佳子(第2ソプラノ)
 三宅理恵(第3ソプラノ)
 加納悦子(第1アルト)
 福原寿美枝(第2アルト)
 望月哲也(テノール)
 宮本益光(バリトン)
 久保和範(バス)

 中部フィルハーモニー交響楽団(共演)
 グリーン・エコー,名古屋市民コーラス,名古屋混声合唱団,一宮第九をうたう会,名古屋シティーハーモニー,クール・ジョワイエ(合唱)
 名古屋少年少女合唱団(児童合唱)

 演奏に参加したのはオーケストラ 73人、コーラス 355人、合計で428人だったそうです(名フィル問い合わせ)。
 千人には遠く及びませんが、それでも視覚的には凄い迫力です。

 この曲の売り物は、大人数による大音量でしょう。
 聴いていて不思議に思ったのは、オーケストラだけの部分になると、音が弱くなること。
 弦楽器はステージの反響板の前に出ているし、管楽器などは大人数のコーラスの服に音を吸い込まれてしまうのでしょう。

 それでも、最後のすべての楽器、コーラスによる最強音は、ホールを風船のように破裂させるかと思わせるほどのパワーでした。
 名フィルにとって「記念碑的演奏」であり、このコンサートをまとめ上げた小泉さんに感謝したいと思います。

 僕はマーラーがこの曲を作曲したマイヤーニックや、ミュンヘン初演の準備に忙しかったトブラッハの館を訪れた事がありますが、いずれも自然に恵まれた静かな別荘で、『千人の交響曲』のような巨大な音楽とはミスマッチだなと思いました。