《トスカ》 ボローニャ歌劇場 指揮:オクサーナ・リーニフ トスカ:マリア・グレギーナ 2023年11月8日(水)6:30PM 愛知県芸術劇場大ホール |
![]() 《トスカ》 ボローニャ歌劇場 2023年11月8日(水)6:30PM 愛知県芸術劇場大ホール 指揮:オクサーナ・リーニフ 演出:ジョヴァンニ・スカンデッラ トスカ:マリア・グレギーナ カヴァラドッシ:マルセロ・アルバレス スカルピア:アンブロージョ・マエストリほか ボローニャ歌劇場管弦楽団/合唱団 マリア・グレギーナは1964年、当時ロシア(現ウクライナ)のオデッサ生まれ。 彼女を初めて聴いたのは1997年5月24日のメトロポリタン歌劇場の《カヴァレリア・ルスティカーナ》。 当時は終演後にサイン会があって、僕はグレギーナに「あなたのトスカが聴きたかった」と言ったんです。 翌日5月25日の《トスカ》はキャロル・ヴァネスでしたからね。 するとグレギーナは「来年、東京で歌うから聴きに来てちょうだい」と応えてくれたんです。 サインを貰って、握手をしてもらったんですが、あれから23年経って、やっと彼女のトスカを聴くことが出来たわけです。 59歳だと思うんだけれども、立派な歌唱でした。 マルセロ・アルバレスは不調だったでしょう。 アンブロージョ・マエストリは良かったですね。 指揮者のオクサーナ・リーニフは1978年、ウクライナ(レヴィウ州)出身の女性指揮者。 2021年7月25日、バイロイト音楽祭《さまよえるオランダ人》で女性として初めて指揮をした。 2022年1月、ボローニャ市立劇場の新しい音楽監督として3年の契約期間で就任。 時の人で期待していたのですが、あまり生き生きとしない音楽で残念でした。 ジョヴァンニ・スカンデッラの演出は大変良くなかった。 第一幕の舞台は左にカヴァラドッシが描いている絵、右にアッタヴァンティ家の霊廟があるだけ。 それはいいんですが、描いている絵が小さすぎて、どこにマグダラのマリアの顔があるのかも分かりません。 これではトスカが嫉妬心に駆られるわけがないでしょう。 合唱の動かし方も納得できないものでした。 第二幕ではトスカとスカルピアの二重唱で、スカルピアは立ち去ろうとするトスカにショールを投げかけるんですが、このショールがソファーに絡まって、無理矢理引っ張ったらソファーがひっくり返ってしまいました。 宮殿にしては軽い(安い)ソファーを使っているなと見ていたら、スカルピア御大がソファーを元に戻しました。 トスカがこの椅子で「歌に生き恋に生き」を歌う演出なので、どうしても直す必要があったわけです。 第三幕では、牢獄と屋上が同じセットで演じられました。 もちろん、聖天使像はありません。 僕は5階の安い席で見たたものですから、上から裏がよく見えるわけです。 最後のトスカが飛び降りる場面で、グレギーナは横に倒れました。 高い席で見た人の話では、スカートを翻して飛び降りるように見えたそうです。 2009年1月1日、僕はローマ旅行でトスカの舞台を訪ねました(《トスカ》の舞台を訪ねて)。 第1幕の聖アンドレア・デッラ・ヴァッレ教会、第2幕のファルネーゼ宮殿(フランス大使館)、第3幕の聖アンジェロ城は、けっこう近くにあるんですよ。 聖アンジェロ城の屋上から下を覗いて、トスカが落ちた位置がカッサだということを確認したりね。 ボローニャのテアトロ・コムナーレで《アルジェのイタリア女》を観劇したのは2007年5月3日。 小さめの劇場で、チケットの確保が難しいそうです。 しかし、グレギーナとリーニフの祖国であるウクライナは本日もロシアと戦闘中。 ニュースによれば戦線は膠着状態とか。 イスラエルのパレスチナ侵攻は、ガザ北部の病院が包囲されているそうです。 |