名古屋二期会の第36回ニューイヤーコンサート。 『プッチーニ没後100周年記念 プッチーニの初夢』 2024年1月6日(土)4:00PM しらかわホール |
![]() 1月1日には能登半島大地震、2日には羽田の日航機火災。 3日の『NHKニューイヤーオペラコンサート』はひたすら暗い。 本当に酷い年の始まりになったものです。 さてこちらは名古屋二期会の第36回ニューイヤーコンサート。 『プッチーニ没後100周年記念 プッチーニの初夢』 2024年1月6日(土)4:00PM しらかわホール チラシによれば、 オペラ界屈指の作曲家ジャコモ・プッチーニの没後100周年を記念し、その珠玉の歌の数々を余すところなくお届けします。 名古屋二期会歌手、ピアニスト陣、合唱、スタッフ陣、また、第一線で活躍中のゲストの方々を迎え、ストーリー仕立てでお送りいたします。 皆さま、2024年の幕開けに、ぜひ「プッチーニの初夢」をお楽しみください。 ということで、プッチーニに惹かれて行ってきました。 プッチーニに弱いんですよ (^_^;。 《妖精ヴィッリ》:「私を忘れないで」伊佐地まゆみ 《マノン》(マスネ):「私が女王のように街を歩くと」竹内葉子 《マノン・レスコー》:「独りさびしく捨てられて」藤田桂子 《アイーダ》(ヴェルディ):「勝ちて帰れ」石田裕美 《ラ・ボエーム》:「私の名前はミミ」~「愛の二重唱」 鈴木裕子、中井亮一 「ムゼッタのワルツ」井上真里、近野賢一 「さようなら」~「告別の四重唱」、伊藤舞子、中井亮一、井上真里、近野賢一 「さらば外套よ」水谷和樹 《トスカ》:「芸術に生き、愛に生き」~「行け、トスカ~テ・デウム」渡部純子、近野賢一、名古屋二期会合唱団 ===休憩=== 《お菊さん》(メサジェ):「恵みの太陽が輝くとき」〈蝉たちの歌〉天野知実 《蝶々夫人》:「ある晴れた日に」梅村悠 「花の二重唱」天野知実、守屋貴美子 「ハミングコーラス」名古屋二期会合唱団 《つばめ》:「ドレッタの夢の唄」古澤加奈子 《外套》:「あんたがこの袋の中身を」奥野靖子 《ジャンニ・スキッキ》:「愛しいお父様」重兼あずさ 《修道女アンジェリカ》:「礼拝堂の静けさの中で」~「母も無く」鈴木沙依、見玉晴香 《トゥーランドット》:「お聞きください、王子様」槙田栞 「誰も寝てはならぬ」中井亮一、名古屋二期会合唱団 《妖精ヴィッリ》:「祈り」全員 〈ピアノ〉山本敦子 石山英明 〈構成/台本〉渡部純子 これは単なる歌合戦では無く、かなり気合いの入ったコンサートでした。 ステージの下手にピアノ、パーカッション、そして机と椅子。 末吉康治さん扮するプッチーニが自らの人生を振り返りながら舞台は進行します。 ドーリア・マンフレディ自殺事件も取り上げられており、宝塚宙組の飛び降り自殺を思い出しました。 背景には曲に合わせた映像が投影されますが、もうじき閉館してしまうしらかわホールでこのような映像・照明を見るのは初めてです。 プッチーニの略歴が出たり、生まれ育ったルッカの地図が出たり、フィレンツェの街が出たり。 《ラ・ボエーム》の第3幕に降る雪はゼッフィレッリなどよりずっと多かったですね。 服装は役柄に合った衣装(和服あり)で演技まで付いていて、オペラの一場面を見るようです。 《ラ・ボエーム》の第1幕、第3幕、《トスカ》の第1幕などは曲の流れを断ち切らないように配慮され、フィナーレまで演奏されました。 マスネの《マノン》やメサジェの《お菊さん》など、プッチーニのオペラと関連のある作品も演奏されました。 思い返せば僕は2004年11月13日、14日に名古屋二期会の《修道女アンジェリカ》を2日で3回聴いて、この曲の美しさに取り憑かれてしまったわけです。 本日の舞台を見て、改めてそのことを思い出しました。 コツコツという公爵夫人の杖の音が不気味です。 家系に対する責任感だけでは無く、もう少しアンジェリカに対する哀れみの情が出ると、もっと良かったでしょうか。 難しい役ですね。 《三部作》関係はこちらです。 藤原歌劇団のプリモテノールとなった中井亮一さんは《カルメン》を歌った名芸大の学生オペラ時代から聴いていますが、ロドルフォやカラフを聴くことが出来たのは良かった。 「ある晴れた日に」を歌った梅村悠さんはなかなかのソプラノかと思いましたが、この曲はスズキを納得させるために歌う曲だから、スズキに対して歌ってほしい。 そして、蝶々さんの想いに対するスズキのリアクションでこの曲はもっと深まるでしょう。 コヴェントガーデンのDVD、エルモネラ・ヤオ(蝶々さん)とエリザベス・デション(スズキ)の関係が理想的だと思っています。 他のメンバーも皆さま好演で、プッチーニの魅力を満喫することが出来ました。 これでこそニューイヤーコンサートです。 〈構成/台本〉の渡部純子さん(トスカ)に感謝します。 ※同じ時間にNHKではティーレマンのニューイヤーコンサートが放映されており、帰宅してからビデオを見てみましたが知らない曲ばかりですね。 僕は1987年のカラヤンのニューイヤーコンサートに行ったことがあって、あのときは有名な曲ばかりでした。 『皇帝円舞曲』なんて、カラヤンの指から真珠がこぼれ出るように美しかった。 『春の声』を歌ったキャスリン・バトルって最近は名前を聞きませんが、どうなっているんでしょう? |