続・太宰治の『津軽』を巡る
(4)芦野公園・太宰治像 2009年9月20日(日)

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 車力から金木に向かう途中(金木の北)に芦野公園があります。
 芦野公園については、今までに何回かレポートを書いています。

 1)桜の芦野公園 2003年4月28日
 2)太宰治の『津軽』を巡る 2006年8月14日

 やはり桜の頃が一番華やいで美しいですね (^_^) 。

 津島美知子(太宰の妻)の『回想の太宰治』によれば、彼女が最初に金木を訪れたとき(昭和17年)に、太宰は「いいところに連れて行ってやろう」と彼女を誘い出したそうです。

 娘の園子を背負い、長い田舎道を通り、彼女が到着したのが芦野公園でした。
 芦野公園は、太宰がそれほど好んだ公園なのでした。

 『回想の太宰治』によれば、この地は太宰が一年学んだ明治高等小学校の跡地であり、『思い出』の故地でもあるそうです。

津軽鉄道 芦野公園駅 プラットホーム
電車は1時間に1本くらい 先頭に「太宰治生誕百年」のプレート


 芦野公園駅のそばにある喫茶店「駅舎」は、芦野公園旧駅舎をそのまま喫茶店にしたものです。
 レトロな雰囲気のある喫茶店で、お薦めしたいと思います。
 
 『津軽』には小泊のたけに会いに行く途中、次のように書かれています。

 やがて金木を過ぎ、芦野公園という踏切り番の小屋くらいの小さい駅に着いて、金木の町長が東京からの帰りに上野で芦野公園の切符を求め、 そんな駅は無いと言われ憤然として、津軽鉄道の芦野公園を知らんかと言い、駅員に三十分も調べさせ、 とうとう芦野公園の切符をせしめたという昔の逸事を思い出し、・・・
 
喫茶店「駅舎」 レトロな雰囲気がお薦め


 芦野公園はシルバーウィークの連休で、家族連れで賑わっていました。
 何はともあれ太宰治文学碑を目指します。

家族連れで賑わう公園 文学碑への案内板
広い公園の奥に 太宰治文学碑


 太宰治文学碑については06年8月の旅行記で書きましたが、今回のお目当ては太宰治生誕百年を記念して建てられた「太宰治像」(文化勲章受章・中村晋也製作)。

 2009年6月19日に行われた「太宰治像除幕式」で、太宰治(本名・津島修治)の長女、津島園子は1歳の時に始めて父親とこの公園を訪れたことなどを語り、式を盛り上げたのでした。

太宰治像 像の高さは2メートルとか


 津島園子の夫(婿)津島雄二(旧姓は上野)は、厚生大臣、党役職を歴任し、津島派を率いた大物代議士でした。
 選挙区の青森一区は、青森市(旧浪岡町域を除く)、五所川原市、北津軽郡、東津軽郡。

 津島雄二は2009年7月19日(除幕式の1ヶ月後)に行われた第45回衆議院議員総選挙に出馬しない意向を表明し、政界を引退しました。
 後継者として息子の津島淳が出馬。

 この津島淳は、太宰治と血が繋がった直系の孫でした。
 しかし、青森一区の有権者は、津島淳候補者を落選させたのでした。
 太宰治生誕百年で大騒ぎして観光客を集め、津島園子、雄二夫妻にも世話になったでしょうに、現金なものです (^_^; 。
 
  芦野湖
 
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