続・太宰治の『津軽』を巡る (16)田舎館村 田沢吉郎 田んぼアート 2009年9月22日(火) |
![]() 今日は太宰治が通った弘前高校を中心に、弘前の街を回ります。 五所川原から弘前に向かう途中に田舎館村があります。 田舎館村で毎年行われる「田んぼアート」は多くの観光客を集めています。 僕は2005年(平成17年)に「写楽と歌麿」、そして2006年(平成18年)に「風神雷神図」を見たことがあります。 ところが、田舎館村役場の駐車場に入ってみると、今年はいつもと雰囲気が違う。 新しい石碑が建っているんですね。 石碑に彫られた人物は、田舎館村が生んだ大政治家、田沢吉郎氏です。 この石碑は2006年(平成18年)12月10日に建てられたようで、道理で今回見るのが初めてです。 ◇田沢 吉郎(たざわ きちろう)。 1918年(大正7年)1月1日~2001年12月12日。 青森県田舎館村出身。早稲田大学政治経済学部卒。 1947年(昭和22年)、29歳の若さで青森県議会議員に初当選。 1960年(昭和37年)、「津軽のケネディ」を名乗って衆議院議員選挙に立候補し、初当選。 以来12回連続当選。 自民党内では宏池会の重鎮として、衆議院議院運営委員長、国土庁長官、自民党国会対策委員長、農林水産大臣、防衛庁長官などを歴任した、郷土の大政治家です。 太宰ファンにとって興味深いのは、田沢吉郎が津島文治(太宰の兄)の長女陽子と1943年(昭和18年)10月に結婚し、小説『津軽』にも登場することでしょう。 太宰と共に「高流」や「鹿の子滝」にピクニックした「お婿さん」が、この田沢吉郎なのです。 太宰の『津軽』の旅は昭和19年(1944年)5月でした。 田沢吉郎が陽子と結婚して半年後、県会議員に当選する3年前のことだったんですね。
◇ 田んぼアート(青森県田舎館村) 「田んぼアート」は、青森県田舎館村で毎年行われているイベントで、今年(2009年・平成21年)のテーマは『戦国武将とナポレオン』。 戦国武将は、今年の大河ドラマ『天地人』の主人公直江兼継ですね。 人を入れた写真を撮りたいと大混雑の天守閣でじっと待っていたら、ランニングをする集団が突然現れ、夢中でシャッターを押しました。
田んぼアートには、「黄稲」「紫稲」「つがるロマン」の色の異なる3種類の苗が使われ、きれいな絵模様を浮かび上がらせています。 よほど綿密な設計図が必要ですね。
|