兵庫県立芸術文化センター 《蝶々夫人》 2006年7月16日(日) 2:00PM |
話題の新ホール、兵庫県立芸術文化センターの《蝶々夫人》。 かねてから素晴らしいソプラノだと思っている大岩千穂さんと浜田理恵さんのお二人が日替わりで蝶々さんを演じるのです。 この機会を逃しては、、またいつ聴くことが出来るのやら。 ためらわず、7月16日、17日と連日で行って参りました。 僕はJR西ノ宮駅からタクシーで行きましたが、阪急西宮北口駅から劇場まで徒歩1分かな? 通路が整備されていて、雨に濡れずに行くことが出来ます。
劇場前のロビーには舞台装置、衣装などの展示がされており、開場前にまずは予習です。 舞台装置の展示は上から覗けるようになっており、回り舞台が分かりやすくなっています。
当日券は発売されていましたが、客席はほぼ満席状態。 ロビーでは蝶々さんグッズが売られており、積極的な売り込みがされていました。 グッズには佐渡さんがサインしてくれるらしい。
まずは、16日からレポートします。 佐渡裕芸術監督プロデュース オペラ《蝶々夫人》 2006年7月16日(日)2:00PM 兵庫県立芸術文化センター大ホール 芸術監督・指揮:佐渡 裕 演 出:栗山 昌良 蝶々さん: 大岩 千穂 ピンカートン:ジョン・マッツ シャープレス:キュウ=ウォン・ハン スズキ: 小山 由美 ゴロー: 松浦 健 ボンゾ: 菅野 宏昭 ヤマドリ: 池田 直樹 ケイト: 佐々木 弐奈 神 官: 花月 真 子 役: 松尾 菜花 合唱 ひょうごプロデュースオペラ合唱団 管弦楽 兵庫芸術文化センター管弦楽団 演出の栗山昌良さんには外山雄三さんと組んだ名古屋二期会の公演以来たくさんの舞台を見せていただいて、感心することが多かった。 特に《蝶々夫人》は05年9月4日に拝見した堺シティオペラが素晴らしい出来で、今回の舞台も楽しみにしておりました。 しかし、舞台装置は堺の《蝶々夫人》や先日見た関西二期会の《ノルマ》に較べると簡素というか寂しいものでした。 回り舞台を使うため、装置を裏表で作ったからでしょうか。 演出自体も、ピンカートンが花嫁衣装を羽織ってクルクル回ったり、ゴローにチップを投げ与えたり、不必要な演技が増えている。 一幕最後にピンカートンが肥満体の蝶々さんを抱き上げた時には、不謹慎ながら笑ってしまいました (^_^;。 コトコトと音がするのに意味もなく舞台を回したり、蝶々さんが息絶えたフィナーレで、舞台の奥に狩野芳崖の「悲母観音」が投影されるに至っては、「殿、御乱心」という言葉が浮かんでくるのも止むを得ないでしょう。 栗山さんに対する永年の信頼がガラガラと崩れ落ちるような、残念な結果でした。 佐渡さんの指揮は流れが悪いというか、もっともっと歌手と一緒に歌ってほしい。 経験不足か? とも思いましたが、プログラムを読むと若い頃からこのオペラを振っておられるようです。 オケピットを見ると外国人メンバーも多く、国際色豊かでしたが、そのアンサンブルには不満を感じるところもありました。 大岩千穂さんの蝶々さんは04年9月22日に名古屋フィルハーモニー交響楽団の演奏会形式(沼尻竜典さんの指揮が素晴らしかった)で聴き、その歌唱と美貌が気に入って (^_^;、ぜひ実際の舞台を見てみたいと思っていました。 あれから2年、衣装を着て登場した大岩さんは肥満体で、丸い顔にカツラも似合わず、外国人が演じる蝶々さんを見ているような違和感がありました。 声も3階最後列までは届いてこない感じで、意外でした。 まあ、期待と満足度は反比例しますからね (^_^ゞ。 フォローしておけば、二幕以後は結構泣かせていただきました。 ピンカートンのジョン・マッツは良かった。 シャープレスは小柄で、大柄なピンカートンと合っていない感じ。 小山さんのスズキは声に不満はないけれど、もっと蝶々さんに対するリアクションがほしい。 プログラムにも「スズキの存在によって、作中のドラマが幾層にも膨らんでいく」と書かれているのに。 堺の公演で見た田中友輝子さんにはあれほど細やかな演技が付けられていたのに、同じ栗山演出でこの違いはどういう事なのでしょう? ゴローは栗山演出によく起用される松浦さんでしたが、演技力に不満。 ゴロー役では名フィルで見た高橋淳さんが気に入っています。 |