兵庫県立芸術文化センター 《蝶々夫人》
2006年7月17日(月・祝)2:00PM

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 続いて17日(月・祝)のレポートです。

 佐渡裕芸術監督プロデュース オペラ《蝶々夫人》

     2006年7月17日(月・祝)2:00PM
     兵庫県立芸術文化センター大ホール

      芸術監督・指揮:佐渡 裕
      演 出:栗山 昌良

    蝶々さん:  浜田 理恵
    ピンカートン:アレッサンドロ・リベラトーレ
    シャープレス:デヴィッド・オーカーランド
    スズキ:   坂本 朱(さかもとあけみ)
    ゴロー:   晴 雅彦(はれまさひこ)
    ボンゾ:   松下 雅人
    ヤマドリ:  キュウ=ウォン・ハン
    ケイト:   柳澤 涼子
    神 官:   花月 真
    子 役:   飯塚 映励奈

  合唱 ひょうごプロデュースオペラ合唱団
  管弦楽 兵庫芸術文化センター管弦楽団

 この日のキャストの方が、16日に較べて全体的に出来が良かった。
 特に蝶々さんの浜田理恵さん。

 第一幕の登場から張りのある声にゾクゾクしましたが、その声の輝きはフィナーレまで衰えることはありませんでした。

 今まで蝶々さん役では、堺シティオペラの並河寿美さん藤原歌劇団の佐藤ひさらさんなど、よい役作りを見せていただきましたが、残念ながら声の面では不満を感じるところもありました。

 本日の浜田理恵さんは舞台姿も役作りも歌唱も全く非の打ち所がないもので、「完璧」とはこのことでしょうか。

 「理想の蝶々さん」に巡り会う機会に恵まれたことを、心から幸せに思っています。

 しかし、蝶々さんという役は一幕の登場から最後の死に至るまで、ほとんど出突っ張り。
 激しい感情表現を要求される場面も多く、歌手には負担の大きい役柄だと、改めて感じました。

 ピンカートンのリベラトーレだけが昨日より落ちる。
 見た目はスマートで悪くありませんが、声が小さいのが残念。
 カーテンコールでブーイングがありましたが、舞台の邪魔をしているわけではなく、ブーイングされるほどひどくはないでしょう。

 一幕のフィナーレでピンカートンが蝶々さんを抱き上げないのには驚きました。
 昨日のお笑いシーン (^_^ゞ は何だったのでしょう?

 シャープレスのオーカーランドは大柄で、舞台姿も声も演技も良かった。
 僕の理想のシャープレスは名古屋の演奏会形式(第二幕)で見たタッデイで、蝶々さんを思いやり慈しむその演技には泣かされました。
 オーカーランドにはその道を究めていただきたい。

 坂本さんのスズキは、昨日の小山さんよりはリアクションがよく、満足度は高かったのですが、ただの女中ではなく、三年間蝶々さんと苦楽を共にした同志のような感情が出ると、もっと良くなるのではないかと思いました。

 ゴローの晴雅彦さんは関西の舞台でよく拝見しますが、ヘラヘラとした軽薄さがゴローらしくて良かった。
 しかし、晴さんはバリトンで、昨日の松浦さんはテノール。
 声域的にはどうなっているのでしょう?

 この日は朝から雨模様でしたが、梅田へ帰る阪急電車から見る川は増水しておりまして、ニュースでは山陰地方に大雨の被害が出ているとのことでした。
 
 
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