新国立劇場 《魔弾の射手》
2008年4月13日(日)2:00PM

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 僕にとって《魔弾の射手》は、どこが面白いのか良く分からないオペラでした。
 昨年のザルツブルク音楽祭でファルク・リヒター演出の舞台を見て、ますますこのオペラがいやになりました。

 ということで新国立劇場にも行く気はなかったのですが、指揮が 《イドメネオ》 《ファルスタッフ》 のダン・エッティンガー、演出が 《さまよえるオランダ人》 のマティアス・フォン・シュテークマンという、ゴールデンコンビ(僕にとって)だということに気が付きまして、あわててチケットを手配しました。

 本日は「東京のオペラの森」《エフゲニー・オネーギン》 の初日でありまして、この演出がファルク・リヒターなんですね。
 僕は絶対に行きませんけどね (^_^; 。
 オペラフリークは東京文化会館に行ってしまうのかと思っていたのですが、新国立劇場もけっこう賑わっていました。

      新国立劇場 《魔弾の射手》
    2008年4月13日(日)2:00PM

    指揮:ダン・エッティンガー
    演出:マティアス・フォン・シュテークマン

    マックス:アルフォンス・エーベルツ
    アガーテ:エディット・ハッラー
    エンヒェン:ユリア・バウアー
    カスパール:ビャーニ・トール・クリスティンソン
    オットカール侯爵:大島幾雄
    クーノー:平野忠彦
    隠者:妻屋秀和
    キリアン:山下浩司
    ザミエル:池田直樹
 
 何よりシュテークマンの演出が素晴らしい。
 特に「狼谷の場」。

 カスパールが魔弾を一つ作るたびに天変地異が起こり、妖怪が現れる。
 これでこそドイツの森が持つ不気味さ、暗さ、が表現できるでしょう。
 女性ヌードでお茶を濁したファルク・リヒターとは、演出家としての志に大きな差があると、僕は思うんですけれどね。

 エッティンガーの生き生きとした音楽は期待通り。
 歌手ではアガーテのハッラーが本格的なソプラノでしたが、バウアーの心から友を思いやるエンヒェンにも心を打たれました。

 4人の花の乙女たちを含め、日本人キャストのレベルも高く、「ドイツ語圏オペラハウスのおかしな演出を見るくらいなら、日本のオペラ公演の方がずっと満足できる」というのが、僕の体験的感想です。
 
 
 
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