《ジークフリートの冒険》=指環をとりもどせ!
2009年7月26日(日)11:30AM 新国立劇場中劇場

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 僕は新国立劇場の《さまよえるオランダ人》《魔弾の射手》と、マティアス・フォン・シュテークマンの演出が大好きです。
 彼が台本・演出を担当した《ニーベルングの指環》の子供向け短縮版《ジークフリートの冒険》=指環をとりもどせ!はウィーン、チューリッヒで人気を博しているようです。

 マティアス・フォン・シュテークマンの演出なら何でも見てみたい僕としては、どんなものだか見に行ってきました。
 いろいろ面白かったですよ (^_^) 。
 チケット代 2100円。

 《ジークフリートの冒険》=指環をとりもどせ!
 2009年7月26日(日)11:30AM
     新国立劇場中劇場

 台本・演出:マティアス・フォン・シュテークマン
 編曲・指揮:三澤洋史

   ブリュンヒルデ:平井香織
   ジークフリート:経種廉彦
   ヴォータン:米谷毅彦
   森の小鳥:直野容子
   ファフナー:志村文彦
   ラインの娘/ワルキューレ
   :黒澤明子,大林智子,佐々木昌子

 管弦楽:新国立劇場こどもオペラ・アンサンブル
 (東京フィルハーモニー交響楽団メンバーによる)


 会場は半分が子供。
 2階に少し空席があったでしょうか。
 舞台にはノートゥンクが置かれており、「さわるな!」と書かれた垂れ幕が下がっています。

 最初に森の小鳥があらわれ、「こんにちは~!」と案内役を務める。
 この直野容子さんがとても上手。
 歌のお姉さんのプロかとも思ったけれど、森の小鳥のパートを歌っていたからオペラ歌手なんですね。
 森の小鳥は会場の子供達に、悪者がこの剣(ノートゥンク)を盗みに来たら「大変だ~!」と叫ぶようお願いし練習するんだが、子供達の反応が凄い。

 そこへ現れたのが背中に袋をつけたファフナーの志村文彦さん(→)。
 この人は 《愚か娘になりすまし》 で拝見したときも、その芸達者ぶりに感嘆したものですが、子供達とのやりとりがとても上手。
 子供達が引き込まれていくのが良く分かります。

 結局、「この剣を取らないと、このオペラが始まらないからお願い」と、ノートゥンクを取るお許しをいただいて、ここからオペラが始まります。

 ブリュンヒルデはフォフナーにノートゥンクを折られてしまったため、ヴォータンの怒りに触れ、炎の中に眠らされてしまう。

 この場面、ブリュンヒルデの周りに棒を立て、銀色のアルミホイールのようなもので囲む。
 仕掛けは見えているのに、ここに赤い照明が当たり、下から送風機で風を送ると炎らしく見えてきます。
 そして、ここにスモークが追加されると、それは凄い迫力の炎が燃え上がります。
 その周りを火の神ローゲが飛び回ります。

 僕はシュテークマンの才能にいたく打たれました。
 いつか彼の演出による《ニーベルングの指環》を見てみたいものです。

 オペラのストーリーは、森の小鳥に携帯画像でブリュンヒルデを見せられたジークフリートは、彼女を起こしに行くのにプレゼントの指環を持って行きたい。
 で、ノートゥンクを鍛え、指環を持つファフナーを倒す。
 ジークフリートは炎の中からブリュンヒルデを起こし、指環を渡すが、最終的には指環はラインの乙女達に返される。



 三澤洋史さんの編曲は《ニーベルングの指環》の聴き所を集めたもので、オペラとは違う場面で、全く別の歌詞で使われています。
 例えば、ジークムントもジークリンデも出てこないのに、彼らの二重唱が歌われます。

 個人的に一番受けたのは、ブリュンヒルデを起こすジークフリートを励ますヴォータンの「魔の炎の音楽」のクライマックスで、ヴォータンがジークフリートを (@o@) がっしりと抱きしめたところかな \ (^o^) /。

 演奏時間は1時間20分。
 僕はいつものように最後列通路寄りだったんですが、演奏の終わりの頃、後ろから声を掛けられました。
 振り返るとそこにはファフナーがいました (@o@)。

 僕はウィーンでミュージカル《ヴァンパイアのダンス》を見たときに、ヴァンパイアに肩を叩かれて非常にビックリして周りの女の子に笑われた恥ずかしい経験があります (^_^ゞ。

 12時50分に《ジークフリートの冒険》が終わり、次は帝国劇場の《ヴァンパイアのダンス》です。
 山口や九州の大雨にもかかわらず、東京は晴天の灼熱地獄。
 外を歩くのが憂鬱でした (^_^ゞ。
 
 
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