名古屋音楽大学 《フィガロの結婚》
2012年2月26日(日)2:00PM 愛知県芸術劇場大ホール

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 僕は《フィガロの結婚》のおもしろさがよく分からないのですが、メンバーも揃っているし、チケット代は1000円(自由席)だし、ちょっと見に行ってきました。

 2月18日(土)ニュー・オペラシアター神戸の《ラ・ボエーム》のレポートで、僕は「オーストドックスな演出ですきま風が吹いている舞台を見たことは、何度もあります」と書いたのですが、この公演の印象はそれに近かったですね。

 名古屋音楽大学オペラ公演 《フィガロの結婚》
 2012年2月26日(日)2:00PM
 愛知県芸術劇場大ホール

 イタリア語上演・日本語字幕付き
 レチタティーヴォ/日本語

 指揮:松尾葉子  演出:たかべしげこ
 伯爵:又吉 秀和
 伯爵夫人:基村 昌代
 スザンナ:内田 恵美子
 フィガロ:酒井 一樹
 ケルビーノ:日比野 景
 マルチェリーナ:山本 みよ子
 バルトロ:松下 雅人

 指揮は全日本クラスの松尾葉子さん、演出は四日市市民オペラ《アイーダ》で感心したたかべしげこさん、伯爵夫人は飯守泰次郎さんとの『愛の死』で痺れた基村昌代さん、内田恵美子さんのスザンナは1998年2月18日 (^_^ゞ にも聴いているし、これだけのメンバーが集まれば、《フィガロの結婚》でも何とかなるはず、と期待したのですが‥‥。

 松尾さん以外は、名音大の教員、卒業生で固めているようです。

 すきま風が吹く舞台になってしまった一番大きな原因は、どうしても演出でしょう。
 1998年2月18日のレポート(演出:松本重孝)を読みなおして、ほとんど今回の公演と同じ感想なので驚きました。

 例えば、伯爵の部屋には扉がなくて、ケルビーノが奥の部屋に隠れるときは扉の取っ手を回すジェスチャーをする。
 これが何ともいえずチープな印象。

 レシタティーヴォの日本語がおかしいことも、前回に書かれているとおり。
 夫婦げんかを敬語でしている (^_^; 。 などなど。

 松尾さんの指揮は軽快に飛ばしていくけれど、歌手のアンサンブルには気を遣っていない感じ。
 基村さんは音程が時々おかしいような気がした。
 内田さんのスザンナは10年以上前から演じているので、役柄が出来上がって自由に演じている。
 ケルビーノの日比野さんは、スタイルが良かった (^_^; 。

 伯爵夫人のアリアのところで出てきましたが、1000円の学生公演とはいえ、「時間の無駄」という言葉が頭に浮かんできたのは残念でした。