愛知県文化振興事業団 《ランメルモールのルチア》
2012年9月17日(月・祝)2:00PM 愛知県芸術劇場大ホール

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 愛知県文化振興事業団 《ランメルモールのルチア》
 2012年9月17日(月・祝)2:00PM
 愛知県芸術劇場大ホール

 指揮:マッシモ・ザネッティ
 演出:岩田達宗

 ルチア:佐藤美枝子
 エドガルド:村上敏明
 エンリーコ:堀内康雄
 ライモンド:伊藤貴之
 アルトゥーロ:永井秀司
 アリーサ:福原寿美枝
 ノルマンノ:清水徹太郎

 合唱:AC合唱団
 管弦楽:名古屋フィルハーモニー交響楽団

 昨日の東京二期会《パルジファル》に続き、本日は愛知県文化振興事業団の《ランメルモールのルチア》です。
 ロビーでは、昨日お会いした方々と、本日もまたお会いしました。

 会場が暗くなり、指揮者の登場を待っていたら、オーケストラが演奏を始めました。
 いつの間にか指揮台に指揮者がおりまして、昨日の《パルジファル》ならこういう趣向も分かるのですが‥‥。

 岩田さんの舞台は抽象的なもので、ここが何処で、登場人物が何をしているのかがよく分かりません。
 音楽も演技も薄い感じで、巨大な空間を埋め切れていないない感じを持ちました。
 一般的に岩田さんの演出は好きなのですが、今回はちょっと残念でした。
 
 2幕の婚礼の場では多くの人々が回り舞台に乗って出てきました。
 ここから音楽が生き生きとしてきまして、やっと巨大な空間を埋める事が出来たという感じ。

 ルチアの佐藤さんは1999年4月4日の名古屋音楽祭で初めて聴いたときに、声量の無い方だと思いましたが、今回も同じ印象を持ちました。
 僕は、もっとプリマドンナの声に圧倒されたいんですよ。

 長大な「狂乱の場」は頑張られたと思いますが、演技は突っ立ったままで歌唱に専念。
 何回もルチアを演じながら、このような演技しか出来ないのでしょうか?
 それとも演出家の指示なのでしょうか?

 昨日に見た《パルジファル》が合唱に至るまですべてのキャストに過剰ともいうべき演技が付けられていましたので、つい較べてしまい、フラストレーションが溜まりました。

 エドガルドの村上さんは藤原歌劇団の公演では笛田博昭さんとダブルキャストになることが多く、笛田ファンの僕はあまりAキャストの村上さんを聴いたことが無いんです。
 しかし、昔聴いたときのかすかな記憶に較べドラマチックな歌唱と演技で、その実力を再認識しました。

 堀内さんのエンリーコも立派な歌唱で、嵐の場面のエドガルドとの二重唱では、オペラを聴く楽しみを満喫させていただきました。

 プログラムによれば、来年のトリエンナーレ2013は《蝶々夫人》だそうで、ピンカートンは村上敏明さんと笛田博昭さんのダブルキャストでしょうか?
 この二人は11月24日(土)、25日(日)に「八王子オリンパスホール」で《蝶々夫人》(指揮:西本智実)をダブルキャストで歌われます。

 蝶々さんの一人は岡村喬生さんのドキュメントで主演された二宮咲子さんでしょうか?
 ダブルキャストは名古屋二期会の渡部純子さんにお願いしたいものです。