ブラビンズ&名フィル 『ブラームス・ツィクルスⅡ』
2013年7月29日(月)6:45PM 名古屋市民会館 大ホール

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 今回のソリスト、小川典子さんを初めて聴くチャンスということで、仕事を途中で抜け出して市民会館に向かいました。
 僕はブラームスの「交響曲第3番」と「ピアノ協奏曲第1番」が大好きです。
 この組み合わせでは2011年9月4日に聴いたクリスティアン・アルミンクと清水和音さんによるコンサートが素晴らしかったですね。

 2013年7月26日(金)6:45PM
 第36回市民会館名曲シリーズ
 『ブラームス・ツィクルスⅡ』

 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
 (名古屋市民会館 大ホール)

 指揮:マーティン・ブラビンズ
 ピアノ:小川典子

 ブラームス: 悲劇的序曲
 ブラームス: ピアノ協奏曲第1番
 ブラームス: 交響曲第3番ヘ長調

 ソリストの小川典子さんは東京音楽大学付属高校を経て、ジュリアード音楽院に学びました。
 87年リーズ国際コンクール3位入賞を機に、ロンドンと東京を拠点として活躍しています。

 ブラームスのピアノ協奏曲第1番は大変に力強い曲で、ターミネーターのようなマッチョな筋肉が必要かと思うのですが、小川さんの演奏は(か弱き)女性でありながら力感に溢れたもので、大いに感銘を受けました。

 オーケストラのアンサンブルには乱れがあり、「交響曲の方に練習時間を割いたのだろう」と推察しました。
 僕はアマオケでこの曲を演奏したことがあるのですが、4曲の交響曲やピアノ協奏曲第2番に較べると楽譜に若さ(稚拙さ)を感じさせる部分がありました。
 それでも大好きですけれどもね (^_^) 。

 ブラームスの交響曲は全曲演奏したことがありますが、第3番は技術的に一番難しい曲だと思います。
 この曲は山岡重信先生の指揮で、一日にゲネプロ本番合わせて3回演奏したことがあり、山岡先生の音楽が僕の理想になっています。
 第1楽章や第4楽章の盛り上がる部分はだんだんリズムが複雑になり、その難しさと溢れかえる熱情に頭がくらくらして、恍惚状態になってしまいます。
 秋の夕暮れを寂しく散歩するような第2楽章のクラリネットも大好きです。

 ブラビンズと名フィルの演奏は速めのテンポで進み、アンサンブルのレベルは高いと思いました。
 よくまとまっているとは思いましたが、しかしそれを突き破る何かが欲しいとも思いました。
 これから3年、ブラビンズの演奏を聴くたびに「ジェントルマン」という言葉が頭に浮かぶのでしょうか。

 ブラームスは1883年の夏、フランクフルトに近いヴィースバーデンに滞在して《交響曲第3番》を作曲しました。
 僕は1997年4月15日にヴィースバーデンを訪れましたがブラ3の家を見つける事ができず、2000年5月6日に再アタックし、『SCHO:NE AUSSICHT 7 』にあるブラ3の家を見つけることが出来ました。