ミラノ・スカラ座来日公演 《ファルスタッフ》
2013年9月8日(日)3:00PM 東京文化会館

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 この日の早朝に2020年東京オリンピックの開催が決定しましたが、上野駅の周辺には特別なアトラクション、掲示などはありませんでした。
 メインスタジアムの設計はインスブルックのオリンピックジャンプ台フンガーブルクバーンの地下鉄駅や車両を設計したザハ・ハディドなんだそうで、東京が未来都市になりそうです。

 さて、僕は1997年4月14日にケルン歌劇場でロバート・カーセン演出の《ファルスタッフ》を見ています。
 ジェームズ・コンロンの指揮によるこの公演で、僕はオペラハウス全体が一つの有機体としてのたうち回るような、不思議な感覚に襲われました。
 
 1995年6月6日にイングリッシュ・ナショナル・オペラの《真夏の夜の夢》を見てその才能に驚嘆したカーセンですが、このケルンの《ファルスタッフ》を見てから、僕はカーセンの追っかけ(日本限定)をすることにしました。
 僕はチケット代の高い来日オペラ公演にはほとんど行かないんですが、このスカラ座の《ファルスタッフ》もカーセン演出なら行かなくてはなりません。
 ケルン歌劇場と同じ演出なのか、それとも新しいプロダクションなのか?という興味もありました。

 ミラノ・スカラ座来日公演 《ファルスタッフ》
 2013年9月8日(日)3:00PM 東京文化会館

 指揮:ダニエル・ハーディング
 演出:ロバート・カーセン

 サー・ジョン・ファルスタッフ:アンブロージョ・マエストリ
 フォード:マッシモ・カヴァレッティ
 フェントン:アントニオ・ポーリ
 医師カイウス:カルロ・ボージ
 バルドルフォ:リッカルド・ボッタ
 ピストラ:アレッサンドロ・グェルツォーニ
 フォード夫人 アリーチェ:バルバラ・フリットリ
 ナンネッタ:イリーナ・ルング
 クイックリー夫人:ダニエラ・バルチェッローナ
 ページ夫人 メグ:ラウラ・ポルヴェレッリ

 ミラノ・スカラ座管弦楽団
 ミラノ・スカラ座合唱団

 結局、スカラ座公演におけるカーセンの演出は、ケルン歌劇場で見た舞台の再利用だったようです。
 見覚えのある場面が何度も出てきました。
 そして今回の公演は、僕にはちっとも面白くなかったんですね。

 《ファルスタッフ》という作品自体が、あまり印象に残るメロディーも無く、僕は好きではありません。
 それなら、どうして日本語字幕も無いケルン歌劇場の舞台にあれほど感激したのか、我ながら不思議でなりません。
 指揮者の違いでしょうか?
 カーセンの演出自体が15年以上にわたりあちこちのオペラハウスで使い回しをするうちに、上っ面を撫でたようなものになってしまったのでしょうか?
 後半はひたすら早く終わることを願っていました。
 
 フィナーレ直前の全休止の場面で、客席から女性の金切り声(ブラヴォー?)が上がりました。
 会場の千数百人?の皆さまと同じ不思議な体験が出来たことを記憶にとどめておきましょう。
 カーテンコールの拍手喝采は熱狂的なもので、僕は自分がおかしな感性の持ち主であり、《ファルスタッフ》を見る資格の無い人間だということを再認識しました。

 次のスカラ座公演は9月20日(金)のグスターボ・ドゥダメル指揮による『ミラノ・スカラ座管弦楽団 ミラノ・スカラ座合唱団』@愛知県芸術劇場大ホール。
 「名古屋だけの特別プログラム!」だそうですがチケットが売れていないようで、割引チケットのお知らせがいろいろ回ってきます。
 すでにチケットを買ってしまった僕には、目にするのも不愉快な話です (^_^ゞ。