名古屋市民コーラス第42回定期演奏会 歌劇 《ナブッコ》
2013年11月9日(土)4:00PM 名古屋市民会館大ホール

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 名古屋市民コーラス第42回定期演奏会
 ヴェルディ生誕200年 歌劇 《ナブッコ》
 2013年11月9日(土)4:00PM
 日本特殊陶業市民会館フォレストホール

 指揮:柳澤寿男
 演出:池山奈都子

 ナブッコ:上江隼人
 ザッカリーア:大塚博章
 アビガイッレ:石上朋美
 イズマエーレ:村上敏明
 フェネーナ:大須賀園枝
 アンナ:基村昌代
 アブダッロ:永井秀司
 ベル神の大祭司:安田健

 管弦楽:名古屋フィルハーモニー交響楽団

 柳澤寿男さんの《ナブッコ》は2010年3月28日に聴いて、感心したことがあります。
 その後、柳澤さんの「オーケストラを通じて民族融和を目指す」というコソボでの活躍がテレビ番組になり、何回か見たことがあります。
 本日も開演前に柳澤さんのお話がありました。

 僕は2008年7月5日に池山奈都子さんが演出された《ナブッコ》も見ておりまして、今回柳澤さんと池山さんのコンビで創る舞台をまたまた見るとは、自分でもびっくりです。

 本日はセミオペラ形式という上演ですが、ほとんどオペラと言っていいでしょう。
 市民コーラスの団員数は220人だそうで、大多数がステージに作られた左右の階段に並んでいます。
 演技がないときは彼らは暗闇の中にいて、出番になると照明が当たります。
 このあたりは大人数の合唱を巧く処理していると思いました。

 その他に演技をするグループもいます。
 全員が舞台衣装を着て、暗譜で歌います。

 コーラスのための短縮版による公演だと思いますが、アビガイッレ(石上朋美)とナブッコ(上江隼人)の出番が多く、いずれも立派な歌唱だと思いました。
 特にアビガイッレはドラマティックな声とコロラトゥーラの技巧が要求される難役で、石上さんは頑張っておられたと思います。
 初演の時は後にヴェルディの後妻となるジュゼッピーナ・ストレッポーニがアビガイッレを歌ったそうです。

 不満だったのは、ここがどこで、誰が何をしているのか、ストーリーが分からないこと。
 たとえば、コーラスは第1部も第2部も同じように階段に並んでいるのですが、第1部はヘブライのエルサレム、第2部は逆にバビロンに捕らえられているわけでしょう?
 その辺の区別、説明が字幕ででも欲しかったところです。

 しかし荒唐無稽なストーリーばかりのヴェルディのオペラの中でも、《ナブッコ》はとりわけ荒唐無稽なストーリーだから、字幕で解説しても理解不能になっていた可能性は大きいですね (^_^; 。

 今回の公演の目玉はもちろん有名な合唱『行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って』です。
 僕は2013年9月20日(金)にグスターボ・ドゥダメル指揮するスカラ座合唱団の演奏を聴いたのですが、スカラ座合唱団のルーチンな演奏より、市民コーラスの一期一会の演奏の方が胸に染みました。

 終演後、新幹線で東京に移動します。
 明日は足利市民会館で大隅智佳子さんの《蝶々夫人》が上演されるのです。