京都市交響楽団 第5回名古屋公演
2014年10月3日(金)6:45PM 愛知県芸術劇場コンサートホール

「REVIEW14」に戻る  ホームページへ
 
 
 マーラーの交響曲第5番は今までに、2010年9月4日にティエリー・フィッシャー&名フィル2013年4月3日に尾高忠明&ウィーン・グランド・コンサートと、素晴らしい演奏を聴いてきています。
 今回の広上淳一&京都市交響楽団の演奏も大いに期待しておりました。

 京都市交響楽団 第5回名古屋公演
 2014年10月3日(金)6:45PM
 愛知県芸術劇場コンサートホール

 指揮:広上淳一
 独奏:米元響子

 ブルッフ:スコットランド幻想曲
 マーラー:交響曲第5番

 平日なので前半の「スコットランド幻想曲」は諦めていたのですが、10人くらいで途中入場させていただき、「フィナーレ」を聴かせていただきました。
 少しだけでも実演を聞かせていただけることは有り難いことです。

 この曲は「ハイフェッツ・オン・TV」の印象が圧倒的で、なかなか他の演奏では満足できないな、という感想を持つことができるわけです。
 ジャクリーヌ・デュ・プレのエルガー「チェロ協奏曲」のようなものですね。

 米元響子さんは1984年東京生まれ。
 3歳からヴァイオリンを始め、海野義雄、ボリス・ベルキンらに師事。
 パガニーニ、ロン・ティボー、エリザベートなどのコンクールに入賞。
 2012年からマーストリヒト音楽院の教授。ベルギー在住。

 ソロ・アンコールはクライスラー作曲の「レシタティーヴォとスケルツォ」という聴いたことの無い無伴奏の曲でした。

 マーラーの5番は期待どおりの素晴らしい演奏でした。
 ウィーン・グランド・オーケストラではトランペットのハンス・ペーター・シューに痺れ上がったものですが、今回の演奏で痺れ上がったのはホルンの1番(垣本昌芳さん?)。
 音を割ったその演奏には鬼気迫るものがありました。

 有名な第4楽章「アダージェット」のフィナーレでは弦楽器の一つ一つの音にアクセントが付けられ、下降しながらのクレッシェンドには果てしない音楽の広がりを感じました。

 アンコールはアルヴェーン作曲の組曲『グスタフ2世』より「エレジー」という、静かな弦楽合奏曲でした。

 何回も書いているけれど、僕は名フィル副指揮者だった広上さんに、我がオケを振っていただいたことがあります。
 楽譜と首っ引きで「ファランドール」を指揮していた青年が、これほどの指揮者になるとは考えもしませんでした。

 これも何回も書いているけれど、僕は1991年8月7日に「交響曲第5番」が作曲されたヴェルター湖畔マイヤーニッヒの作曲小屋を訪れたことがあります。
 同じヴェルター湖畔でも、北岸のペルチャッハ(ブラームス交響曲第2番)とは異なり、マイヤーニッヒ(現地の人はマイヤーニックと言っていました)は静かな村で、その山の中の作曲小屋でこのような華々しい曲が作曲されたのは不思議な気がしました。