小林美樹バイオリンリサイタル ~気軽にクラシック~
2015年11月3日(火・祝)2:00PM びわ湖ホール 小ホール
 
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 2015年2月1日に小牧市民会館で聴いた小林美樹さんは素晴らしいヴァイオリニストでした。
 しかしあの時はコンチェルトだったので、次は彼女のソロを聴いてみたいものだと思っていました。

 久しぶりに訪れたびわ湖ホールは紅葉には少し早かったのですが、正面に見える八幡山の後ろに遠く伊吹山が霞んでいました。

 小林美樹バイオリンリサイタル
   ~気軽にクラシック~
 2015年11月3日(火・祝)2:00PM
 びわ湖ホール 小ホール

 ピアノ:田村響

 チャイコフスキー:懐かしい土地の想い出 Op.42
 フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調 
 サン=サーンス:ヴァイオリン・ソナタ第1番 ニ短調 Op.75
 ラヴェル:ツィガーヌ

 中ホールの受付で、「お客様、このコンサートは小ホールでございます」と言われてしまいました。
 地下深くに小ホール(323席)があったんですね (@o@)。
 7割くらいの入りだったでしょうか。

 2月に小牧で拝見したときは「可愛いお嬢さん」だった小林さんは、スレンダーなレディーになっていてビックリしました。
 靴のせいもあるでしょうが、田村響さんより背が高かったですね。

 小林美樹さんはアメリカ・サンアントニオ生まれ。
 4歳より石塚千恵氏のもとヴァイオリンを始める。
 2009年、桐朋女子高等学校音楽科を首席で卒業し、特待生として桐朋学園大学ソリストディプロマコースに進学。
 2010年より明治安田クオリティオブライフより奨学金を得てウィーン私立音楽大学に入学し、パヴェル・ヴェルニコフ氏に師事している。
 2011年10月、5年に一度ポーランドで行われる第14回ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリンコンクールにて第2位受賞。

 僕にとってこのコンサートのクライマックスはフランクのソナタでした。
 僕はこの曲は最高のヴァイオリンソナタだと思っていて、何十人の演奏を聴いたことでしょう。
 今までのベストとして思い出すのは、1998年12月6日に聴いた五嶋みどりと、2011年9月17日に聴いたラチャ・アヴァネシアンですね。
 
 小林さんの演奏は弓が弦にピッタリと吸い付いた音と左手の完璧なテクニック。
 まったく僕の好みの演奏です。
 五嶋みどりさんに較べると、もう少し音の深みが欲しかったかもしれません。
 田村響さんのピアノも素晴らしいもので、聴いたことが無い音が左手から沸き上がってきます。

 小林さんにとっては、サン=サーンスのソナタがメインだったかも知れません。
 新発売のCDが販売されていましたから (^_^) 。
 この曲は僕にはあまり面白くありませんでしたが、最後は盛り上がって拍手喝采。

 『ツィガーヌ』はラチャ・アヴァネシアンが圧倒的でしたね。
 これは、民族的な関係もあるでしょう。

 小林さんから「『気軽にクラシック』という題名にもかかわらず、重い曲ばかりで‥‥」という挨拶があり、アンコールは『タイスの瞑想曲』 (@o@)。
 この簡単な曲では、小林さんでも、2日前に聴いた富田祥子さんでも、他のヴァイオリニストでも、同じことでしょう。
 正直退屈しました。

 それはさておき、小林さんは今の時点で、日本で最高のヴァイオリニストの一人であることは間違いありません。
 僕はすっかりファンになってしまい、また聴かせていただく機会が楽しみです。
 これだけのしっかりした音を持っておられますので、次回は協奏曲を期待したいですね。