愛知県立芸術大学オペラ公演 《コジ・ファン・トゥッテ》
 2015年12月5日(土)2:00PM 長久手文化の家 森のホール
 
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 県芸のオペラ公演で思い出すのは2011年12月10日の《こうもり》
 僕は現地でウィーン国立歌劇場ウィーンフォルクスオパーの舞台を見たことがありますが、県芸の方がずっと生き生きとして楽しかったですね。

 ということで、県芸のオペラ演目は毎年注目いるのですが、今年は苦手のモーツァルトのオペラの中で、唯一大好きな《コジ・ファン・トゥッテ》ということで、期待満々で出かけました。

 愛知県立芸術大学オペラ公演《コジ・ファン・トゥッテ》
 2015年12月5日(土)2:00PM
 長久手文化の家 森のホール

 指揮:矢澤定明  演出:飯塚励生

 フィオルディリージ:鈴木貴子(1幕)、田浦彩夏(2幕)
 ドラベッラ:木下春奈
 デスピーナ:宇佐見朋子(1幕)、森下 泉(2幕)
 グリエルモ:西元 佑(賛助)
 フェルランド:田中 準(1幕)、水野 優(2幕)
 ドン・アルフォンソ:初鹿野 剛(准教授)

 愛知県立芸術大学合唱団、管弦楽団

 数年前にはこの県芸の公演がドキュメントとしてTV放映されていました(名古屋地方限定?)。
 県芸関係者の話では、メトロポリタン歌劇場の演出課に所属する飯塚励生さんを中心に、一年をかけて一つのオペラを完成するのだそうです。
 この辺りのプロセスがプログラムに説明されているといいのにな。
 指揮は名古屋二期会《宗春》でちょっと興味を持った矢澤定明さんでした。

 劇場は819席、円形の中ホール。
 そのためか、日本語のセリフが実に聞き取りやすかったですね(歌はイタリア語)。

 飯塚励生さんの演出はまったくオーストドックスなものでした。
 オーストドックスな演出で観客を納得させることは、奇抜な演出よりずっと難しいことでしょう。
 学生を役に成り切らせなくては、舞台にすきま風が吹いてしまいますからね。

 やはり、アラベラが陥落してから、フィオルディリージがフェルランドに抱かれるまでの人間ドラマには、惹き付けられてしまいます。
 この残酷なストーリーに、モーツァルトはなんという美しい音楽を作曲したことでしょう。

 キャストの皆さまは善戦しておられましたが、「やはりフィオルディリージは得な役だな」と思いました。
 休憩時間20分を入れて上演時間は3時間20分。
 疲れましたが、その甲斐があるオペラ公演でした。