愛知県立芸術大学オペラ公演  《こうもり》日本語上演
2011年12月10日(土)5:00PM 長久手青年の家 森のホール

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 新国立劇場では《こうもり》が上演されているようですが、名古屋では愛知県立芸術大学の学生による公演がありました。
 会場は長久手文化の家で(県芸は長久手にある)、このホールでは笛田博昭さんと加藤利幸さんが日替わりでカニオとトゥリッドゥを歌うという贅沢な公演や、2007年11月11日《ほほえみの国》2009年3月21日《イドメネオ》など、水準の高い公演を見たことがあります。

  2011年度愛知県立芸術大学オペラ公演
      《こうもり》 日本語上演
   2011年12月10日(土)5:00PM

 指揮:佐藤正浩 演出・日本語台本:飯塚励生

  アイゼンシュタイン:板原宣嗣
  ロザリンデ(1幕):杉浦愛美
  ロザリンデ(2・3幕):鈴木美穂
  アデーレ:秋山真未
  ファルケ:堀内紀長
  ブリント:橋本 慧
  フランク:大石皓貴
  オルロフスキー:船越亜弥
  アルフレード:大久保 亮
  イーダ:石原夕香子
  フロッシュ:米丸史朗

 愛知県立芸術大学管弦楽団・合唱団

 序曲の間に寸劇がありまして、手紙を配っていたのかな?
 オーケストラはピットが深いためか音が小さい。
 また、流れるような美しさがもっと欲しいと思いました。

 第二幕になりまして、突然、後ろから嬌声が聞こえて、ドアからコーラスが雪崩れ込んできました (@o@)。
 彼らは階段通路で歌いまして、僕の(いつものように通路より)隣で歌ったソプラノはなかなかの声量かと思いました。
 
 ここからは舞台が躍動して、実に楽しい公演となりました。
 この楽しい舞台を作り上げた演出の飯塚励生さんはニューヨークで生まれ育ち、1994年に来日。
 2007年3月24日に見た新日フィルの《ローエングリン》に感心したことがあります。
 メトロポリタン歌劇場の演出課に所属し、愛知県立芸大などで演出/アクティングコーチを勤めておられるそうです。

 日本語公演でしたが、飯塚さんの台本はウィーンの舞台に沿ったもので、見慣れたギャグが次々と飛び出してきます。
 ローカルな学生公演だからといって、手抜きをしていないところに好感を持ちました。
 第二幕でアイゼンシュタインとフランクがフランス語で会話する場面では、なんだか「サルコジ」が一番受けていました (^_^) 。
 45人のコーラスも見事に動かして、舞台に隙間がありません。

 キャストは大学院の1、2年生&賛助。
 オルロフスキーの船越亜弥さんは声量のある方かと思いました。
 演技も合わせればアデーレの秋山真未さんでしょうか。
 この人は1年生なので、来年も見ることが出来るでしょう。
 他のキャストもそれなりに役になっていて(これが大事)、若さ弾ける学生公演を楽しんできました。

 カーテンコールに現れた飯塚励生さんは背中に「こうもり」と書かれたジャンバー姿で、意表をつかれました。
 
 
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