プラハ国立歌劇場 ベッリーニ《ノルマ》 グルベローヴァ
2016年11月3日(木・祝)5:00PM 愛知県芸術劇場大ホール

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 プラハ国立歌劇場
 2016年11月3日(木・祝)5:00PM
 愛知県芸術劇場大ホール
 ベッリーニ《ノルマ》

 指揮:ぺーター・ヴァレントヴイツチ
 演出:菅尾 友
 ノルマ:エディタ・グルベローヴァ
 ポリオーネ:ゾラン・トドロヴイツチ
 アダルジーザ:ズザナ・スヴェダ
 オロヴェーゾ:オレグ・コロトコフ
 フラヴィオ:ヴァーツラフ・ツィカーネク
 クロティルデ:シルヴァ・チムグロヴァー
 プラハ国立歌劇場管弦楽団
     /合唱団/バレエ団

 数年前に引退公演があった(はず)のエディタ・グルベローヴァ(1946年12月23日~・69歳? )の《ノルマ》です。
 僕が彼女を初めて見たのは1980年8月19日のザルツブルク音楽祭《ナクソス島のアリアドネ》
 36年前のことです。
 彼女の最初と最後のステージを見せていただいたことになるのでしょうか。
 
 難曲として知られる「清らかな女神」を歌うグルベローヴァの声は小さく、高い音は上がりきらず、アジリタの技法には破綻も見られました。
 それでも客席からは「ブラヴァ!」「ブラヴァ!」の大歓声です。
 そういう公演なのでしょう。

 しかし、他の部分は、声は小さいながら、役になりきっており、ノルマに十分同情しました。
 70歳を前にして、このような難役に挑むとは、凄い意欲だと思います。
 主催者から考えれば、彼女が出るだけで、チケットの売り上げが違うでしょう。
 と言いながら、会場に空席は目立ったし、招待券がまかれていたようです。
 演目がマニアックですからね。

 共演者たちはみんな立派な声の持ち主で、グルベローヴァは割を食ったかもしれません。
 指揮者のぺーター・ヴァレントヴイツチは気に入りました。
 同じような美しいメロディーが繰り返される感もあるこのオペラを、強弱緩急を自在に指揮してくれました。
 大人数のコーラスも立派でした。

 菅尾友さんの演出は、舞台を現在の中東に設定しています。
 それだけで、意味は分かりませんでした。
 大群衆の動きは、よく整理されていました。
 全員の衣装が一緒なので、ノルマとアダルジーザの見分けが付きにくかった場面もありました。

 僕は2004年のゴールデンウィークに「プラハ駆け足旅行」をしたことがあります。
 プラハにはスタヴォフスケー劇場国民劇場国立オペラ劇場と3つのオペラハウスがありました。
 しかし、たびたび来日する「プラハ国立歌劇場」なる名称のオペラ団が、この3つのオペラハウスのどれなのか、分かりにくい時代もありましたね。

 《ノルマ》を初めて見たのは、2003年6月24日「カターニア・ベッリーニ大劇場」でした。
 この時ノルマを歌ったのがディミトラ・テオドッシュウでした。
 今回のプラハ歌劇場来日公演でもグルベローヴァとダブルキャストになっており、この人も長く活躍していますね。