ミュージカル 《RENT》名古屋公演・大千秋楽
 2023年4月13日(木)1:00PM 愛知県芸術劇場大ホール
 
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  《RENT》名古屋公演・大千秋楽
 2023年4月13日(木)1:00PM
 愛知県芸術劇場大ホール

 マーク(マルチェッロ):花村想太
 ロジャー(ロドルフォ):古屋敬多
 ミミ(ミミ):遥海
 コリンズ(コルリーネ):加藤潤一
 エンジェル(ショナール):百名ヒロキ
 モーリーン(ムゼッタ): 鈴木瑛美子
 ジョアンヌ:塚本 直
 ベニー(ブノワ):吉田広大

 《RENT》がブロードウェイのネダーランダー劇場でオープンしたのは1996年4月29日。
 僕が観劇したのは5月3日
 ということで、「僕は《RENT》を初めて観劇した日本人の一人だ」と威張っているわけです。
 その後《RENT》は2008年9月7日まで、12年4か月で連続上演5140回という歴代11位のロングラン公演記録を残しました。

 《RENT》はプッチーニのオペラ《ラ・ボエーム》をドラッグとエイズ時代のニューヨークに移したもの。
 ミミはSMクラブのダンサーでドラッグ中毒。そしてエイズ患者。
 ロジャーもエイズ患者のロック・ミュージシャンです。
 コリンズとエンジェルは同性愛者。
 テーマは「NO DAY BUT TODAY」です。

 《RENT》には作詞・作曲を担当したジョナサン・ラーソンの《ラ・ボエーム》へのオマージュが溢れています。
 ジョナサン・ラーソンはオフ・ブロードウェイにおけるプレビュー公演の前日(1996年1月25日)に、マルファン症候群による大動脈解離のため35歳の若さで急逝し、伝説の人となりました。

 僕は《RENT》が大好きで、作品の舞台となったアルファベットシティを訪ねました。
 ガイドブックに「危険だから近寄るな」などと書かれている地域ですが、ファン心理とは恐ろしいものです。
 ライフカフェの隣がトンプキン・スクエアしたが、ミュージカルには出てきませんでした。

 久しぶりの名古屋公演ということで出かけましたが、舞台装置や演出に変更点が多かったのには驚きました。
 モーリーンの登場もオートバイでは無く、歩いて出てきました。
 しかし、オペラの演出家のように作品をねじ曲げることはありません。
 それから服装も変更されていて、大人数になると誰が誰だか分からなくなります。

 キャストは知らない人ばかりでしたが、実力派揃い。
 残響が多いホールだし、バンドの音が大きすぎたかもしれませんが、歌詞はあまり聴き取れませんでした。
 話は大体分かっているので、ラーソンの名曲を楽しむ分に問題はありませんでした。

 初めてブロードウェイで見たときに、ライフカフェのパーティで、今は大スターとなったイディナ・メンゼルがズボンを下げて生尻を見せてくれたのには仰天しました。
 まさかそんなことはあるまいと日本公演でも注目していたのですが、森川美穂さん(現大阪芸術大学演奏学科教授)はTバックで、名古屋公演の千秋楽では客席に向かってお尻を出してくれたのでした。
 「ブロードウェイの舞台で生尻だと思ったのは間違いだったのだ」と何となく安心していたのですが、2000年8月13日にブロードウェイで2回目に見たときも生尻で、「ブロードウェイと日本は違うんだ」と改めて驚きました。

 イディナ・メンゼルの生尻を見たい人は映画版《RENT》で見ることができます。
 ただ、『ハリー・ポッター』の監督クリス・コロンバスによる映画版《RENT》は大変出来が悪い。
 一般的にミュージカルの映画化は失敗作が多い感じ。
 最近だと《レ・ミゼラブル》ですね。
 《ウェストサイドストーリー》や《サウンドオブミュージック》などは素晴らしかったんですがね。

 《RENT》はブロードウェイ公演のファイナル公演ライブがあり、こちらがお勧めです。
 こちらも生尻アップあり。
 カーテンコールではオリジナルキャストも登場します。

 それで本日のモーリーンですが、少ししかズボンを下げてくれませんでしたが、生尻だったような気がします。

 《ラ・ボエーム》と《RENT》の大きな違いは、ミミが生き返ること。
 「汗をかいたら熱が下がった」などと言っています。
 こちらの方が観劇後ハッピーですね。

 本日が大千秋楽だそうで、マークから挨拶がありました。
 終演後のロビーでは「愛知県芸術劇場大ホール」のプレートの前で写真を撮る長い列ができていて、全国からのファンが集まっているようでした。

 終演は4PM。
 本日は7PMから「ウィーン・プレミアム・コンサート」があり、それまでの時間をライブラリーで《アンドレア・シェニエ》のDVD(ホセ・カレーラス)を見て過ごしました。