堺シティオペラ 《ルサルカ》(全3幕) 2007年9月8日(土)5:00PM 堺市民会館大ホール |
03年のプッチーニ《三部作》、05年《蝶々夫人》で感心した堺シティオペラが、ドヴォルザークの《ルサルカ》という珍しい演目を上演するというので、堺まで行ってきました。 しかし交通機関が複雑で、堺まで行くのは大変。 どうすれば一番簡単に行けるのでしょう?
![]() 2007年9月8日(土)5:00PM 堺市民会館大ホール 指揮:クリストフ・カンペストリーニ 演出:岩田達宗 ルサルカ:武内亜希 水界の王:クリスティアニス・ノルヴェリス 王子:ヴィエストゥールス・ヤンソンス 魔法使い:荒田祐子 皇女:白石優子 森番:中野嘉章 皿洗い:柴山 愛 原作はチェコ語だが、ドイツ語上演日本語字幕付き。 それなら日本語上演日本語字幕付きでも良いのではないか? 僕は1999年10月にプラハ国民歌劇場《ルサルカ》を見たことがあるんだが、全く覚えていないので (^_^; 、ほぼ初見。 ストーリーは人魚姫伝説。 愛のために言葉を失う人魚姫がオペラの主役にふさわしいとは思えない。 3人の木の精と水の王が出てくる冒頭は、まったく《ラインの黄金》だ。 音楽にもワーグナー風の部分が時々出てくる。 ルサルカ役の武内さんは、演技に不満があった。 彼女は演出家に指示されたとおり位置の移動はするが、直立不動で歌っている。 どうして動かないのか? どうして少しでも手を挙げないのか? コソットは「役になりきると、自然に体が動いてしまう」と語っていたが、そうなるには多くの舞台経験が必要なのだろうか? 演出家は演技指導をしないのだろうか? 水界の王のノルヴェリスは第二幕が良かった。 人間になりたいと言ったり、一週間もすれば人間をやめたいと言ったり、勝手気ままな娘ルサルカに振り回され、悩み苦しむお父さんはお気の毒。 第二幕では舞台中央に突然現れたので驚いたが、せりを使っていたようだ。 王子役のヤンソンスはラトヴィア出身のリリックテノール。 彼は最初から最後まで良かった。 王子は死を覚悟してルサルカの接吻を望むが、接吻一つに命をかけるとは、納得しがたいキャラクターだ (^_^ゞ。 森番の中野さんはやたら芝居達者で、その演技力を少しでも武内さんに分けてほしいと思った。 魔法使いの荒田さんはボリュームのある歌声で、第三幕などはワーグナーの世界だった。 岩田さんの演出は斜幕を何重にも使って幻想的な雰囲気を出そうとしているが、特に成功しているとは思わなかった。 《ミニヨン》や《ボエーム》よりは落ちる感じ。 会場で岩田さんの師匠である栗山昌良さんの姿を見かけた。
第一幕最後で、ルサルカと王子は手を取り合い舞台奥に進む。 そこには当然背景があるわけで、そこで二人は止まってしまい、それから幕が下りた。 明らかにタイミングがずれていて、みっともないことだった。 休憩時間の客電の点け方もおかしい。 各幕毎のカーテンコールが無いのならば、早く客席を明るくしなくては、観客が拍手を止められないのは経験者なら分かるだろうに。 スタッフが新人に変わったのだろうか? とまあ不満もあったが、ドヴォルザークの珍しいオペラを、それなりのレベルで上演していただいたことには感謝したい。 指揮者のカンペストリーニはとても良かったと思う。 来年はマスネーの《サンドリヨン》だそうで、チェックしておこう。 市民会館の近くに「行列の出来ているラーメン屋」があったので入ってみたが、とても美味しかった (^_^) 。
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