新国立劇場 《ワルキューレ》
2009年4月12日(日)2:00PM

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 《イドメネオ》(06/10/22)《ファルスタッフ》(07/6/13)《魔弾の射手》(08/4/13) と見てきて、ダン・エッティンガーは素晴らしい指揮者だと思っています。
 そのエッティンガーが《ワルキューレ》を指揮するというのです。

 02年3月31日(日)に見たキース・ウォーナーの演出は好きではないのですが、エッティンガーの《ワルキューレ》は聴いてみたい。
 激しいチケットの争奪戦が予測され、「ダメでもともと」と申し込んだ葉書が当たり、期待に胸をふくらませての観劇です。

   新国立劇場 《ワルキューレ》
  2009年4月12日(日)2:00PM

   指揮:ダン・エッティンガー
   演出:キース・ウォーナー

   ジークムント:エンドリック・ヴォトリッヒ
   フンディング:クルト・リドル
   ジークリンデ:マルティーナ・セラフィン
   ヴォータン:ユッカ・ラジライネン
   ブリュンヒルデ:ユディット・ネーメット
   フリッカ:エレナ・ツィトコーワ
   ゲルヒルデ:高橋知子
   オルトリンデ:増田のり子
   ワルトラウテ:大林智子
   シュヴェルトライテ:三輪陽子
   ヘルムヴィーゲ:平井香織
   ジークルーネ:増田弥生
   グリムゲルデ:清水華澄
   ロスヴァイセ:山下牧子

 期待どおり、エッティンガーの指揮が素晴らしい。
 生き生きとしてスケールが大きく、これで《ワルキューレ》を振るのは初めてだというから驚いてしまいます。

 初演時には不快感を持ったウォーナーの演出ですが、それ以後「演出家の方が作曲者より偉い」と言わんばかりの演出家の勝手気ままをたくさん見せられたので、《ワルキューレ》のストーリーには忠実な範囲でいろいろ新しいことに挑戦したウォーナー演出には、昔のような反感は無くなりました。
 
 意味不明なところはおおらかな気持ちで見過ごして (^_^) 、エッティンガーの音楽を楽しむのに、それほどの支障はなかったでしょうか。

 バイロイト出演者などを集めたキャストが実に充実していました(フンディングのリドルを除く)。
 今のバイロイトは昔ほどのレベルではないと聞きますが、これほどのメンバーを東京に集めることが出来たことに感謝してしまいます。
 
 ユッカ・ラジライネンは2000年5月6日にヘッセン州立劇場で 《さまよえるオランダ人》 を聴いて、その声量に驚嘆しましたが、新国立劇場で聴くとヘッセンの記憶ほどではありませんでした (^_^ゞ。
 劇場の大きさが違うのでしょうか?

 しかし、最後の『ヴォータンの別れ』を朗々と歌い上げる姿を見ていると、「5時間以上の時間を掛けて、お互いにやっとここまで来たのか」という感慨に勝手に感動してしまいます (^_^) 。

 休憩時間に冗談半分で「マルティーナ・セラフィンってトゥリオ・セラフィンかハロルド・セラフィンの関係者?」と聴いてみたところ、「ハロルド・セラフィンの娘で、母親はミルヤーナ・イーロシュ。メルビッシュ湖上オペラにも出ている」というオペラ・フリークの返事 (@o@)。

 「それならユディット・ネーメットはシャンドール・ネーメットの娘なの?」という質問には「違うんじゃないか」との返事でした (^_^ゞ。

第一幕 ジークリンデ と ジークムント 第三幕 ワルキューレの騎行
 
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