笛田博昭テノールリサイタル
2010年11月18日(木)6:45PM 宗次ホール

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 待望の笛田博昭さんのリサイタルです。
 オペラアリアばかりを集めたということで、期待が高まります。
 笛田さんの宗次ホールでのリサイタルは2009年7月4日に聴いたことがありますが、笛田さんの声量には小さいホールかと思いました。
 この時の伴奏も浅野菜生子さんでした。

 笛田博昭テノールリサイタル
 2010年11月18日(木)6:45PM 宗次ホール

 ピアノ:浅野菜生子

 タクシーで駆け付け、3曲目の『清きアイーダ』から聴きました。
 時々咳払いをしながらでしたが、声の迫力は相変わらずです。

 ここで浅野菜生子さんのピアノソロがあったのかな?
 前回のリサイタルと同じ《カヴァレリア・ルスティカーナ》の間奏曲でした。
 同じ人が聞きに来ているのだから、曲目は変えた方がよいかと思いました。

 続いて《西部の娘》の「やがて来る自由の日」が歌われたところで休憩になってしまいました (@o@)。
 プログラムには《ラ・ジョコンダ》の『空と海』が載っているのに。
 よほど喉の調子が悪いのかと心配になりました。

 休憩後は《トスカ》の『妙なる調和』と『星は光りぬ』。
 笛田さんの『星は光りぬ』というと思い出すのが不調だったイタリア声楽コンコルソ(2006年7月2日@すみだトリフォニーホール)
 今日も歌いにくそうで、この曲は鬼門なのでしょうか。

 プログラムは《運命の力》より『天使のようなレオノーラ』、《蝶々夫人》より『さらば愛の家』と進みますが、喉に何かが絡まったようで、声が出なくなってしまいました。
 咳払いしたり、オクターブ下げたり、ファルセットにしたり、悪戦苦闘の笛田さんです。

 目の前でこれほどソリストの声が壊れていくのを見るのは初めてです。
 4日前の藤沢市民オペラ《道化師》では絶好調だった笛田さんがここまで調子を落とすとは。
 そういえば、ここ数日の名古屋は寒いです。

 こうなると会場も応援モードになりまして、一曲歌い終わるたびに盛大な拍手が送られます。
 僕も笛田さんの歌は聴きたいけれど、この声で歌っていただくのも申し訳ない、と複雑な気持ちで、でも一生懸命拍手してきました。

 最後に予定された『衣装を着けろ』はチレアの『フェデリーコの嘆き』に変更されましたが、声の調子は戻りませんでした。

 客席が明るくなり、観客が立ち上がったところで笛田さんが登場され、「この声ではアンコールは出来ません」と挨拶されると、励ましの拍手が送られます。
 さすが「第二の故郷」である名古屋の観客は暖かいです。

 笛田さんはもう少しお話がしたいようでしたが、盛大な拍手は止まらず、そのまま退場されました。
 客席の我々も残念でしたが、一年間のイタリアでの勉強の成果を披露できなかった笛田さんが一番悔しい思いをされたことでしょう。

 終演後のロビーでは「これはしかたがない」「こんな事もある」という会話がされていましたが、僕もそう思います。

 次の笛田博昭観劇予定は、11月24日(水)の熱田文化小劇場《トスカ》です。
 それまでに笛田さんの声は戻るのでしょうか?
 
 
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