クリスティアン・ティーレマン指揮 ドレスデン国立歌劇場管弦楽団
2012年10月24日(水)6:45PM 愛知県芸術劇場コンサートホール

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 クリスティアン・ティーレマンは2010年3月25日にミュンヘン・フィルの指揮者として聴いたことがあって、力任せで一本調子の指揮者かと評価しておりました。
 ということで今回はパスしようかと思ったのですが、プログラムにワーグナーが入るとチケットを買ってしまうところがワグナーファンの弱みでしょうか (^_^; 。

 しかしチケット代が異様に高く、プラチナ席33,000円。
 ドレスデン国立歌劇場の来日公演(オペラ)が一つ見られる値段です。
 僕の席はいつもの3階最後列ですが、A席25,000円。
 名フィルの定期演奏会なら2,000円の学生席ですよ。

 チケット売り出し後、新聞に広告が何回も出されておりまして、よほどチケットが売れていないのだろうなと推測しておりました。
 インターネットで検索すると、はたして数日前まで1階席が列単位で空いていました。
 招待客を集めたのでしょう、本日の1階は埋まっていましたが、休憩時間に「まだ後半もあるの?」というおばさんの会話を耳にしまして、どういう客を集めたのか、脱力しました。
 3階席は6割の入りだったでしょうか。

 ドレスデン国立歌劇場には2000年5月に行ったことがあり、柔らかい響きのオーケストラに感心したことがあります。

  クリスティアン・ティーレマン指揮
  ドレスデン国立歌劇場管弦楽団
  2012年10月24日(水)6:45PM
  愛知県芸術劇場コンサートホール

  ワーグナー:《タンホイザー》序曲
       《トリスタンとイゾルデ》より「前奏曲と愛の死」
       《リエンツィ》序曲
  ブラームス:「交響曲第一番」
  ワーグナー:《ローエングリン》第3幕への前奏曲

 前半のワーグナーが素晴らしかった。
 ちょっとしたテンポの変化、個々の楽器の強調などがぴったりとワーグナーに合って、世界最高レベルの演奏を聴かせていただきました。
 さすがにバイロイトの中心人物として活躍する指揮者です。

 《タンホイザー》の盛り上がりにも痺れましたが、《トリスタン》の「愛の死」が最高でした。
 遅いテンポが実に濃密な音楽を盛り上げています。
 《リエンツィ》は他の2曲に較べると軽い音楽に感じられました。

 今回の来日公演でワーグナーをたっぷり聴けるのは今日の名古屋公演と明日の横浜公演だけですから、聴き逃しの無いように、ここまでを速報としてアップさせていただきます。

 NHKはブラームス・チクルスではなく、このコンサートを録画するべきだったと思いますよ。
 明日の横浜公演が録画されることを祈るばかりです。

 後半のブラームスも同じようなアプローチかと思いましたが、これがしっくり行っていない。
 ワーグナーの方が音楽のスケールが大きく、自由度が高いのでしょうか?
 第4楽章の後半は盛り上がりました。
 ブラームスが「交響曲第1番」を作曲したザスニッツはこちらバーデンバーデンはこちら

 アンコールの《ローエングリン》はドレスデンで作曲されたオペラで、このオーケストラにふさわしい曲でした。
 ワーグナーが《ローエングリン》を作曲した家はこちら