笛田博昭 テノール・リサイタル
2013年5月31日(金)6:45PM 宗次ホール

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 笛田博昭 テノール・リサイタル
 2013年5月31日(金)6:45PM 宗次ホール

 テノール:笛田博昭
 ソプラノ:山中敦子(賛助*)
 ピアノ:浅野菜生子

 ここ宗次ホールで聴いた2010年11月18日のリサイタル藤原歌劇団の《仮面舞踏会》など、不調の笛田さんを何度も聴いてきているものですから、最初に咳払いなどをされると「今日の喉の調子は悪いのか?」と震え上がってしまいます。
 今日は咳払い無しでコンサートが始まったので、まずは一安心 (^_^) 。
 
・ボノンチーニ:歌劇「グリゼルダ」より “お前を讃える光栄のために”
・ヘンデル:歌劇「セルセ」より “樹木の蔭で(ラルゴ)”
・スカルラッティ:歌劇「愛のまこと」より “陽はすでにガンジス川から”
・トスティ:歌曲より(魅惑/君なんかもう愛していない/理想の女)
・マスカーニ:“アヴェ・マリア”(歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲)*
・レオンカヴァッロ:“朝の歌”
  ―休憩―
・ヴェルディ:歌劇「仮面舞踏会」より “永遠に君を失えば”
・ヴェルディ:歌劇「運命の力」より “天使のようなレオノーラ”
・ヴェルディ:歌劇「リゴレット」より “慕わしい人の名は”*
・プッチーニ:歌劇「トスカ」より “星は光りぬ”
・チレア:歌劇「アルルの女」より “フェデリーコの嘆き”
・レオンカヴァッロ:歌劇「道化師」より “衣装を着けろ”

 笛田さんのイタリア古典歌曲は初めて聴きましたが、合っていないと思います。
 「鶏を割くに焉んぞ牛刀を用いん」という感じでしょうか。
 
 トスティになって緊張も取れてきたようです。
 が、咳払いが始まりました (^_^; 。

 後半のオペラアリアは今までに何度も聴いたことのある曲ばかり。
 今日の笛田さんは絶好調ではありませんでしたが(咳払いが‥‥)、それでも、何度聴いてもいいですね (^_^) 。

 ソプラノの山中敦子さん(*)は大垣市出身で愛知県立芸大卒。
 笛田さんとは同じ Lina Vasta 門下(ミラノ)ということで、共演の機会が増えているようです。
 二重唱はありませんでした。

 後半になって笛田さんの喉もどんどん快調になりまして、アンコールは“グラナダ”“マリウ愛のことばを”“オー・ソレ・ミオ”と続きまして、テノールを聴く喜びを満喫させて頂きました。

 これで終わりかと拍手も小さくなりかけたところで、笛田さんがまた登場。
 浅野さんもニコニコとピアノ譜を振りながらの登場です。
 そしてイタリアで舞台に立たれた《トロヴァトーレ》マンリーコのアリア。
 こうでなくては (^_^) 。

 しかし、笛田さんは最後のコーラスの部分を歌われませんでした。
 やはり、喉のコンディションはそれほど良くなかったのでしょう。
 そして満を持して挑戦されたハイCもピタリと決まったわけではないのですが、それでもこの場面は客席が燃え上がりますね (^_^) 。
 マンリーコのアリアについては、2007年7月14日『オペラの魅力Vol.9』の歌唱が人間業とは思えない凄まじさでした。