名古屋フィルハーモニー交響楽団  ブラームス・ツィクルスⅢ
指揮:マーティン・ブラビンズ ヴァイオリン:ジェニファー・パイク
2013年9月26日(木)6:45PM 名古屋市民会館 大ホール

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 本日のプログラムは、交響曲第2番(1877年・44歳)、ヴァイオリン協奏曲(1878年・45歳)というペルチャッハで作曲された2曲です。

 交響曲第2番を評したテオドール・ビルロートの「この曲はすべてが青い空、川のせせらぎ、太陽の光と涼しい森の木陰だ。ペルチャッハとはどれほど美しいところだろう」という言葉に惹かれて、僕がペルチャッハを訪れたのは1991年8月7日のことでした。
 あの時から、音楽史跡を巡る人生が始まった、記念すべき旅でした。

 第38回市民会館名曲シリーズ
 <ブラームス・ツィクルスⅢ>

 2013年9月26日(木)6:45PM
 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
 (名古屋市民会館 大ホール)

 指揮:マーティン・ブラビンズ
 ヴァイオリン:ジェニファー・パイク

 ハンガリー舞曲第1番、第3番、第5番
 ブラームス: ヴァイオリン協奏曲ニ長調
 ブラームス: 交響曲第2番ニ長調

~新企画~「サイド・バイ・サイド」
 常任指揮者の意向によりスタートする新企画「サイド・バイ・サイド」では、音楽を学ぶ学生と名フィルが、マーティン.ブラビンズの指揮で演奏します。
 本日の演奏には、コンサートマスターの後藤龍伸さんが教授をしている名古屋音楽大学の学生が参加し、ハンガリー舞曲3曲を演奏しました。

 ブラビンズの地域の音楽の発展に貢献したいという意欲にあふれた企画で、第3番の女子学生のオーボエコンビが気に入りました。
 後藤龍伸さんはびわ湖ホール《ワルキューレ》のコンサートマスターでもありました。

 ジェニファー・パイクは2010年10月の名フィル第373回定期演奏会(指揮:マーティン・ブラビンズ)で聴いたメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲が気に入って、今回のコンサートも(仕事を早めに切り上げて駆けつけるほど)楽しみにしておりました。
 しかし、残念ながら今回の演奏は感心しませんでした。
 愛知県芸術劇場コンサートホールと市民会館大ホールという会場の違いが大きいのでしょうか?
 ソロアンコールは3年前と同じ、バッハの「サラバンド」でした。

 メインの交響曲第2番は、楽譜通りのテンポで、楽譜通りの強弱で演奏した普通の音楽でガッカリしました。
 こんな紋切り型の演奏を聴いているのは時間の無駄だと思いました。
 次にどうなるか分かってしまうんですから。
 9月21日の第405回定期演奏会「火の鳥」ではほぼ完璧かと思われた名フィルのアンサンブルにも、本日は乱れが見られました。

 9月18日のアンサンブル金沢で、アシュケナージはベートーヴェンの7番をあれほど面白く聴かせてくれたのに、本日のブラビンズとどこが違うのでしょうか?
 僕が思うに、アシュケナージの指揮は個々のパートの細かいフレーズまで彼の意思が行き届いていました。
 一方のブラビンズは最初から最後まで全体を流してしまった、という感じでしょうか。
 次のブラビンズは2月定期のブルックナー『ロマンティック』ですか。