あらかわバイロイト 《トリスタンとイゾルデ》
 2013年11月24日(日)1:00PM サンパール荒川大ホール

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 2011年9月の《神々の黄昏》2012年2月の《修道女アンジェーリカ》&《ジャンニ・スキッキ》2012年12月の《ラインの黄金》に続いて、4回目の『あらかわバイロイト』です。
 なんだか馴染んでしまいましたね (^_^) 。

 ワーグナー生誕200年記念
 あらかわバイロイト 第5回ワーグナー音楽祭
 ワーグナー作曲 《トリスタンとイゾルデ》
 2013年11月24日(日)1:00PM
 サンパール荒川大ホール

 指揮:クリスティアン・ハンマー
 演出:大島尚志

 トリスタン:池本和憲
 イゾルデ:福田祥子
 ブランゲーネ:河村典子
 マルケ:郷田明倫
 クルヴェナル:杉野正隆
 若い水夫/牧童:佐藤 圭
 メロート:出沼 哲
 舵手:田中拓風
 
 管弦楽:TIAAフィルハーモニー管弦楽団
 (コンサートマスター:三ツ木摩理)

 プログラムによれば、オペラ監督の田辺とおるさんが目指しているのは「ドイツ地方歌劇場のオペラ公演」。
 演奏会形式については「観たい人というのはオペラを観に来るんだから、オペラにしなければだめに決まっている」。

 舞台は平台が組み合わされ、背景はカーテン一枚。
 照明がうまく使われていたと思います。

 第一幕の水夫達のコーラスと第二幕のバンダは録音。
 第一幕の最後のコーラスがカットされていたのは驚きましたが、これで100万円以上の経費削減でしょうか。

 福田祥子さんのイゾルデは豊かな響きのある声で、世界に通用するイゾルデかと思いました。
 長い時間をかけて『愛の死』が始まったのは6時頃で、やっとここまで来たか、という感慨を持って聴かせていただきました。
 クライマックスでは震えたし、目の前がボーッとしました。
 クリスティアン・ハンマー指揮するTIAAフィルハーモニー管弦楽団は、実にレベルが高いと感心しながら聴いていました。

 トリスタンの池本和憲さんと、ブランゲーネの河村典子さんは声量が少し足りなかったでしょうか。
 しかしこれだけの長くて訳の分からない台詞を暗譜され、歌い遂げられた努力には感謝するしかありません。

 河村典子さんは名古屋二期会会員の方らしく(今まで拝見したことはありませんが)、来年1月12日の「名古屋二期会ニューイヤーコンサート」の《カルメン》ハイライトで、カルメン役を歌われるそうです。

 クルヴェナルの杉野正隆さんは豊かな声量の素晴らしいクルヴェナルで、盛大な拍手を浴びておられました。
 マルケの郷田明倫さんは痰が絡んで苦しそうでしたが、深い響きのバス歌手だということはよく分かりました。

 『あらかわバイロイト』次回公演は2014年6月の《ナクソク島のアリアドネ》だそうです。
 僕はクリスティアン・ハンマーと田辺とおるさんの《ナクソク島のアリアドネ》を2006年11月に名古屋芸術創造センターで観ておりまして、これはダブルキャストで4回公演という意欲的なものでした。
 それ以来、このお二人の活動には好感を持っています。