沼津市民オペラ 歌劇 《トスカ》 全三幕
2014年12月14日(日)2:00PM 沼津市民文化センター大ホール

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 僕は笛田博昭さんのファンですが、《トスカ》については、あれやらこれやら、残念な思い出が多い。
 今回こそ本格的な舞台を見てみたいと、沼津までやって来ました。

 午前中には太宰治が『斜陽』を執筆した三津浜の安田屋旅館を訪れ、時間を無駄にはしません (^_^) 。



 トヨタコミュニティコンサート 沼津市民オペラ
 歌劇《トスカ》全三幕
 2014年12月14日(日)2:00PM
 沼津市民文化センター大ホール

 音楽監督・お話:三枝 成彰
 指揮:小崎 雅弘(※さきは立つ崎)
 演出:小栗 哲家

 トスカ:羽山 弘子
 カヴァラドッシ:笛田 博昭
 スカルピア男爵:町 英和
 アンジェロッティ:大沼 徹
 スポレッタ:松浦 健
 シャルローネ:大石 洋史
 堂守:晴 雅彦

 管弦楽:沼津交響楽団
 合 唱:TCC沼津合唱団

 この日の笛田さんは絶好調でした。
 声量に圧倒され、「妙なる調和」から、その美声を心ゆくまで堪能しました。

 改めて感心したのは堂守の晴 雅彦さん。
 出番でないところでも堂守その人として動いています。
 僕は晴さんを「最高のゴロー(蝶々夫人)」だと思っていますが、彼はまた「最高の堂守」でもありました。
 トスカ、カヴァラドッシ、スカルピアの皆さまも、多いに参考にされたら良いと思いました。

 カヴァラドッシが昼食はいらないというので、晴さんは飛び上がって喜んで、パン籠を持って退場してしまいました。
 これにはビックリしました。
 アンジェロッティが食べるものが無くては、話が進みません。

 結局、晴さんはパン籠をこっそり返しに来たのですが、あれは笛田さんをビックリさせようというイタズラだったのでしょうか?

 演出の小栗 哲家さんは舞台監督として名前を見ることが多い方です。
 演出は、ごく普通のものでしたが、舞台装置は面白かった。

 第一幕最後の「テ・デウム」には、サンタンドレア・デッラ・ヴァッレ教会の祭壇画が投影されました。

 第二幕の最後でスカルピアを刺し殺したトスカは部屋に火を付け、《ワルキューレ》のフィナーレのように燃え上がる炎の中を出て行ったのでした。
 文化遺産に不必要に火を付けるのはどうかと思いました。

 第三幕は大きな聖天使像が聳える立派な舞台で、「けっこうお金がかかっているな」と見ていたのですが、後から考えると、聖天使像もプロジェクターで投影されたものだったような気がしてきました。

 小崎 雅弘さん指揮する沼津交響楽団は善戦していたと思います。
 「星も光ぬ」の前奏(?)のチェロのアンサンブルは頑張っていたし、クラリネットは笛田さんに対抗して聴かせました。