オスロフィルハーモニー管弦楽団
指揮:クラウス・マケラ ピアノ:辻井伸行
2023年10月21日(土)2:00PM 愛知県芸術劇場コンサートホール
 
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 オスロフィルハーモニー管弦楽団
 2023年10月21日(土)2:00PM
 愛知県芸術劇場コンサートホール

 指 揮:クラウス・マケラ
 ピアノ:辻井伸行

 ショスタコーヴィチ:祝典序曲
 ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第2番
 R.シュトラウス:交響詩《英雄の生涯》

 2022年10月20日(木)の6:45PMのパリ管弦楽団演奏会で気に入ったクラウス・マケラが、手兵の率いてのコンサートです。
 前半はショスタコーヴィチとはいえわかりやすい音楽でした。
 『祝典序曲』は《ルスランとリュドミラ》のような景気の良い曲で、オスロフィルは人数が多く演奏レベルも高いと思いました。

 ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第1番は、1986年10月17日(金)にキーシン初来日(15歳)のコンサートを聴き、その天才と奇行に驚きました。
 本日は第2番。
 辻井伸行さんはマケラに手を引かれて登場しましたが、かなり身長差がありました。
 演奏については文句のつけようもありません。
 いつも感心するばかりです。

 予習でYoutubeを見ていたら、ユジャ・ワンの演奏が出てきました。
 これも素晴らしい演奏でしたが、ユジャ・ワン(1987年~)とマケラ(1996年~)は交際を公表しているそうです。
 アルゲリッチとデュトワのようなものでしょうか。
 ユジャ・ワンの露出度の高いドレスも魅力的ですが、今後はどうなるのでしょうか?

 辻井さんのソロアンコールはリスト編曲の《エルザの大聖堂への行列》。
 この曲は2020年9月19日のリサイタルで聴いて大いに感銘を受けましたが、Youtubeで藤井さんの演奏を見つけることは出来ませんでした。
 それだけに、またこの曲を聴くことを出来たのは嬉しかったですね。
 マケラは指揮台(椅子じゃないよ)に座って聴いていました。
 この曲については8月20日に聴いた愛知祝祭管弦楽団《ローエングリン》に詳しく書かせていただきました。

 僕は2015年9月22日にモスクワ・ノヴォデヴィチ墓地のショスタコーヴィチのお墓をお参りしました。
 ロシアとウクライナが戦争になってしまい、ショスタコーヴィチのお墓参りは当分出来ませんね。

 後半の《英雄の生涯》もレベルの高い演奏でしたが、弦楽器と管楽器の出だしが少しずれることがあったような。
 11月16日(木)に予定されるベルリンフィルとの聴き較べが楽しみです。

 ヴァイオリンソロは女性コンサートミストレス(エリゼ・バトネスって読むのかな?)でしたが、「英雄」が女性というのはちょっと面白かったですね。
 「シェラザード」を男性コンサートマスターが弾くようなものでしょうか。
 「音楽の友」によれば、ベルリンフィルの今シーズン・オープニングの『英雄の生涯』でも、女性コンサートミストレス(ヴィネタ・サイレカ=フォルクナー)が「英雄」を弾いたそうです。
 日本公演ではどうなるのでしょうか

 よくよく見ればこのオーケストラは女性優位のようです。
 指揮者を囲む弦楽器の1プルットは8人のうち男性は一人(ヴィオラ次席)だけ。
 カーテンコールでマケラは木管全体を立たせ、次にホルンの一番だけ一人で立たせましたが、この人が女性でした。

 僕は2006年5月5日にガルミッシュにあるR.シュトラウスのお墓を訪ねました。
 作曲家の墓として最も美しいお墓だと思うので、詳しくレポートしておきました。

 アンコールはJ.シュトラウスⅡ世の歌劇《騎士パズマン》より「チャルダッシュ」。
 これはなかなかの名曲で、会場は大いに盛り上がりました。
 クラウス・マケラはこれからもずっと聴き続けていきたい指揮者です。