名フィル第九演奏会2023  川瀬賢太郎
2023年12月17日(日)2:00PM 名古屋市民会館 大ホール
 
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 名フィル第九演奏会2023
 2023年12月17日(日)2:00PM
 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール(名古屋市民会館 大ホール)

 川瀬賢太郎(指揮/名フィル音楽監督)
 迫田美帆(ソプラノ)
 福原寿美枝(メゾ・ソプラノ)
 清水徹太郎(テノール)
 宮本益光(バリトン)
 愛知県合唱連盟(合唱)
 客演コンサートマスター:石上真由子
 首席オーボエ:蠣崎耕三(読売日本交響楽団)

 新音楽監督に就任された川瀬賢太郎さんの『第九』はどんなものか、という興味で聴きに行ってきました。

 舞台を見て驚いたのは弦楽器が少ないこと。
 第1ヴァイオリンが6プルットですからチェロなんか3プルット(6人)の編成。
 この曲には人数が足りないような気がしました。
 名古屋市民会館大ホールという会場の問題もあるのでしょうが、合唱に対抗するヴァイオリンの音量は小さかったですね。

 もう一つ驚いたのが、石上真由子さんが客演コンサートマスターだったこと。
 僕が石上さんを初めて聴いたのは2015年3月28日、第5回宗次エンジェルヴァイオリンコンクールの本選。
 当時彼女は京都府立医科大学在学中で、第4位に入賞されています。

 コンクール後のパーティー(有料)でCoCo壱番屋創始者の宗次オーナー手作りのカレーを食べながら、石上さんと「まず医師国家試験を合格しなくては」というようなお話をしたのですが、そのとき既に2008年の第77回日本音楽コンクールで第2位に入賞されていたのですね。
 
 この2008年の日本音楽コンクールでは名フィルホルンの安土真弓さんも、ホルン部門で第2位入賞されています。
 このシーンはテレビ放送で拝見しました。
 ちなみに第1位は福川 伸陽さん。

 医学部を卒業された石上さんは、ヴァイオリニストというリスクの多い道を選ばれたわけですが、順調に活動されているようで、嬉しく思っています。
 医師で音楽家ということではハープの竹松舞さんがニューヨークの救急病院に勤務しながら演奏活動を続けておられるそうで、驚嘆しました。
 名古屋では2021年のショパンコンクールで話題となった沢田蒼梧さんが研修医をしておられるようで、僕は来年2月のリサイタルのチケット争奪戦に敗れました。

 さて、本日の川瀬さんは速いテンポを指向。
 ヴァイオリンなんか十分に弾けていない感じです。
 合唱団は立派な出来かと思いましたが、男性メンバーには白髪の人が多く、愛知県合唱連盟も11月26日の「市民の第九」のように高齢化が進んでいるようです。

 僕は山本直純先生の指揮で『第九』を演奏したことがあります。
 僕はセカンドヴァイオリンのパートリーダーだったのですが、第2楽章はセカンドヴァイオリンから始まります。
 ところが、練習の度にテンポが違う。
 こちらも心構えがあるので「本番のテンポはどうなるのですか?」と質問してみたのですが、「音楽は生き物だからそのときの気分でテンポが変わる」というお返事でした。
 そのときは笑い話で終わったのですが、よくよく考えれば自分の音楽を表現するために考えれば最適のテンポはあるはずだと今では思っています。

 昨日の「エンター・ザ・ミュージック」は『第九』の第4楽章のシラーの詩について。
 指揮は故飯守泰次郎先生でした。
 数年前、僕は飯守先生と会食させていただく機会に恵まれました。
 当時先生は新ベーレンライター版によるベートーヴェン交響曲の演奏に取り組んでおられました。
 で、第3楽章の第4ホルンについて「どうしてこのような難しい部分を第4ホルンが吹くのですか」という質問したのですが「理由は分からないけれど、第4ホルン奏者をびっくりさせる冗談かも」というお返事でした。
 新ベーレンライター版の楽譜には「1番ホルンが吹いても良い」というコメントがあるそうです。
 
 昨日は佐渡裕さんの『1万人の第九』の放送もありまして、テノールは笛田博昭さんが歌っておられました。
 笛田さんは来年2月の藤原歌劇団《ファウスト》を降板されたとのことで心配していましたが、お元気そうで安心しました。

 昨日の「エンター・ザ・ミュージック」で驚いたのは、宝塚歌劇団公演のコマーシャルが無くなっていたこと。
 9月30日に宝塚宙組の有愛きいさんが投身自殺をされました。
 この悲しい事件で、阪急阪神ホールディングス(HD)会長の角和夫氏が非難の矢面に立たされています。
 有愛きいさんが投身自殺をされた9月30日に、角和夫会長はゴルフをしていて、有愛さんの事件を知らされてもゴルフを止めなかったそうです。

 このゴルフ会はダイキン工業の井上礼之会長が理事長をつとめる関西フィルの50周年記念の欧州公演の記念大会であり、角会長は理事として祝辞を述べることになっていました。
 10月8日に角会長と夫人がヨーロッパ旅行に行ったことが週刊誌で責められていますが、これも関西フィルの50周年記念演奏旅行に同行したものと言われています。

 今までの宝塚歌劇団ではいじめを受けた団員は退団するケースが多かったそうです。
 有愛きいさんは責任感の強い人だったそうで、誠にお気の毒なことです。
 しかしながら、「エンター・ザ・ミュージック」は良質な音楽番組だと拝見していますので、ぜひ放送を続けて頂きたいと願うものです。
 
※ついでに、週刊誌情報によれば3月の《田舎騎士道》&《道化師》の演出をされた上田久美子氏の宝塚時代のパワハラは有名だったそうです。
 Yahoo!で検索すると、いろいろ凄い話が出てきますね。

※週刊文春12月28日号によれば、宝塚版《エリザベート》を演出した小池修一郎氏が、ヘアアイロン事件の隠蔽を提案したそうです。
 彼は「宝塚のジャニーさん」だとも書かれていました。