ひろしまオペラルネッサンス アステールプラザ
《修道女アンジェリカ》 《ジャンニ・スキッキ》
 2005年10月1日(土)6:00PM 2日(日)2:00PM

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 昨年(04年)11月に名古屋二期会の公演を見て以来、《修道女アンジェリカ》のファンです。
 本年6月には関西歌劇団の公演を見に行きました。
 今回は『ひろしまオペラルネッサンス』です。

 演出は堺のプッチーニ『三部作』で感心して、びわ湖ホールの《ジプシー男爵》でがっかりして、名古屋の《白鳥》で理解不能だった岩田達宗さんです。

 そう、岩田さんの《修道女アンジェリカ》は堺で見ているのに、印象が薄いんですよ。
 確認の意味もあって、広島まで遠征しました。

JR 広島駅 市内電車
アステールプラザ アステールプラザ
エントランス 定員は1204名
ロビー 窓から川が見える


 ひろしまオペラルネッサンス アステールプラザ
  《修道女アンジェリカ》 《ジャンニ・スキッキ》
 2005年10月1日(土)6:00PM 2日(日)2:00PM

       指揮:山下一史  演出:岩田達宗
       管弦楽:広島交響楽団

    キャスト  1日(土)     2日(日)
   アンジェリカ:乗松恵美    並河寿美
    公爵夫人:藤井美雪    藤井美雪

ジャンニ・スキッキ:石原祐介  奥田 誠
     ラウレッタ:河部美里  尾崎比佐子
     リヌッチョ:竹内直紀   枝川一也

 舞台装置は『三部作』の第一作《外套》にふさわしいような街角の壁?
 舞台中央のポールなども、堺の『三部作』を引きずっているんでしょうか?

 衣装では修道女たちの中でアンジェリカだけが頭巾をしていません。
 なぜ彼女だけが特別待遇なのか?

 舞台装置と衣装のため、この作品が、そして主人公のアンジェリカが持つべき神秘性が損なわれているのが残念です。

 また、修道女たちが揃って現れ、整列して歌うような演出は、名古屋二期会の中村敬一さんや関西歌劇団の井原広樹さんに較べ、稚拙なものと思われました。

 山下一史さんの音楽も、流れが悪くて満足できませんでした。
 広島交響楽団は中・四国唯一のプロオーケストラだそうですが、プロとしては弱いパートもあるようです。

 並河さんを拝見するのは、《ジュニア・バタフライ》 《蝶々夫人》に続き、この秋3回目です。

 《修道女アンジェリカ》のカーテンコールで、カーテンがあがると白いブラウスと黒いスカートの女性たち、そして黒いズボンの男性たちが並んでいます。
 この人達は何者なのか?
 訳が分からないまま拍手をしておきましたが、休憩時間にスタッフに聞くと舞台裏のコーラスなんだそうです。
 女声ばかりのオペラと思っていたのに、舞台裏には男声もあるんだそうです (@o@)。

 一方の《ジャンニ・スキッキ》は、おおいに満足できるものでした。
 スキッキ、ラウレッタ、リヌッチョ以外の登場人物のカリカチュアライズされた演技がやたら面白く、会場は爆笑の渦です。

 奥田さんがスキッキを演じた日曜の方が、スキッキに存在感があったでしょうか。

 字幕も工夫され、「顔文字」など大受けでした。
 その中に「かばちたれるな」というセリフが出てきました。

 広島弁らしいんですが、何のことやら分かりません。
 「この会場で分かっていないのは僕だけ。僕だけが取り残されている」という不思議な感覚に陥りました (^_^ゞ。

 暗闇でメモして、あとでスタッフに確認したんですが、「文句を言うな」という意味らしいです。
 このスタッフには「広島弁ですか?」と驚かれたけれど、そりゃあ広島弁でしょう (^o^) 。

 不満があったのはラウレッタのアリア『私の優しいお父さん』の間、舞台が止まってしまったこと。
 僕の理想のジャンニ・スキッキは、2001年10月28日に見たジュゼッペ・タッデイ
 おねだりするラウレッタに、驚いたり頷いたり抱きしめたり、ラウレッタが可愛くて仕方が無い。
 ラウレッタが突っ立ったままで歌うのでは、オペラでは無くてコンサートでしょう。
 
 
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