オーケストラ・アンサンブル金沢 第34回名古屋定期公演 2011年3月13日(日)3:00PM 愛知県芸術劇場コンサートホール フォーレ『レクイエム』/指揮:飯森範親 ソプラノ:小林沙羅 |
2008年12月6日(日)《イリス》で聴いた、遊女役の小林沙羅さんの歌声が気に入ってしまい、しっかり聴いてみたいものだと思っていました。 やっとその機会がやってきて、曲目も大好きなフォーレの『レクイエム』ということで、喜んでチケットを買ったのですが、まさか東北・関東大地震(3月9日)と巡り合わせるとは。 演奏前に指揮者の飯森範親さんが登場され、曲目についてスピーチをされました。 アンサンブル金沢のコンサートは、いつもこのような進行なのでしょうか。 そのスピーチで飯盛さんは「こんな時にコンサートをして良いのか」悩まれたそうですが、「このレクイエムを東北・関東大地震の犠牲になった方に捧げたい」「募金は責任を持ってしかるべき部署にお届けします」と語られました。 フォーレの『レクイエム』は飯盛さんの亡くなられたお母様が大好きな曲だったそうです。 ![]() オーケストラ・アンサンブル金沢 第34回名古屋定期公演 2011年3月13日(日)3:00PM 愛知県芸術劇場コンサートホール 宮城道雄(池辺晋一郎編曲):春の海 ビゼー:交響曲 第1番 ハ長調 フォーレ:レクイエム Op.48 指 揮:飯森範親 箏合奏:正派邦楽会東海支部 ソプラノ:小林沙羅 与那城 敬:バリトン 合唱:OEK名古屋公演女声特別合唱団 予定されたプログラムに先立って、東北・関東大地震の犠牲者追悼のためにバッハの『アリア』が演奏さました。 「拍手はしないで下さい」とのことでした。 『春の海』は和服姿の30人の箏合奏が並ぶ見栄えの麗しい舞台でした。 池辺晋一郎さんの編曲は宮城道雄のメロディーを生かしたままで、オーケストラで彩りを付けたもので、面白く聴くことが出来ました。 野平一郎さんの『ゴルトベルク変奏曲』もこの路線でお願いしたかったですね。 ビゼーの交響曲は生き生きとした表情に富んだもので、良かったですね。 やはり昨日の小泉和裕さん指揮する名フィルの演奏は、一本調子で退屈でした。 お目当ての『レクイエム』は、女声合唱だけが並び、オーケストラ弦楽器は主に第1プルットだけが演奏するという、変わったバージョンでした。 7~80人のコーラスに、2人の第1ヴァイオリンですから、アンバランスですよね。 飯盛さんの指揮は感情の起伏に富んだもので、僕はこの曲にはもう少し平穏な音楽を求めたかったです。 期待の小林沙羅さんの澄み通った歌唱はこの曲にふさわしいものだと思いました。 与那城 敬さんは二期会のオネーギンであり、藤沢市民オペラのシルヴィオにも感心したのですが、絞り出すような歌唱がこの曲には合わないと思われました。 僕はかつてアマオケのメンバーとしてこの曲を演奏したことがあるのですが、バイオリンはず~っと出番が無く、いくつかのパートに分かれて美しいメロディを演奏し続ける低音弦を羨ましく思ったものです。 バイオリンの出番は「サンクトゥス」のオブリガートで、もう曲は半分終わっていますよ (^_^ゞ。 木管楽器の友人は、「木管は座っているだけで、もっとひどい」と嘆いていました。 あれはもう何年前のことだろう。 ついこの間のことのように思い出すのに、指揮者の濱田徳昭先生も、ソプラノソロの今千佳子さんも鬼籍に入られ、「光陰矢の如し」ですね。 |