河内長野マイタウンオペラ・コンチェルタンテVOL.2 《カヴァレリア・ルスティカーナ》 《ジャンニ・スキッキ》 2013年7月28日 2:00PM 会場:ラブリーホール 大ホール |
プッチーニのオペラ《ジャンニ・スキッキ》は喜劇ということになっていますが、あまり面白い舞台に会ったことはありません。 今までで一番面白かったのは2005年10月に広島で見た岩田達宗さんの演出。 もう一度見てみたいものだと思っていましたが、今回河内長野で上演されるとの情報を得て、遠征してきました。 河内長野市の場所が分からなかったのですが、大阪府の南端にあり、楠木正成が活躍した地域のようです。 新幹線、地下鉄、南海線を乗り継ぎ、大阪の繁華街を北から南に走り抜け、名古屋から2時間で河内長野に到着しました。 街の中には「河内長野市で暮らそう」という看板が立っていて、人口流出の街のようです。
駅から徒歩7分のラブリーホールは、客席数およそ1100席。 劇場全体がオーク調の壁面で囲まれた、格調の高いホールでした。 ホールから見える山は金剛山でしょうか?
![]() 河内長野マイタウンオペラ公演 2013年7月28日 2:00PM 会場:ラブリーホール 大ホール 音楽監督:牧村邦彦 指揮:井村誠貴 演出:岩田達宗 管弦楽:大阪交響楽団 合唱:河内長野マイタウンオペラ合唱団 公益財団法人河内長野市文化振興財団は、ラブリーホールの“シンボル事業”として、「マイタウンオペラ」を開催し、これまでに11回20公演を公演を実現しています。 今回の公演も関西のトップメンバーを集めながら、チケット代がSS席で6000円という安さには驚きました。 《カヴァレリア・ルスティカーナ》 サントゥッツァ:田中友輝子 トゥリッドゥ:松本薫平 アルフィオ:東 平聞 ローラ:高谷みのり ルチア:井上美和 舞台の上にあるのは下手に椅子が数個だけで、これがルチアの酒場。 上手に教会がないのには驚きました (@o@)。 合唱団はおよそ80人という大人数。 服装代を節約するためか、男性は黒の上下で女性は黒いドレスと、とても村人には見えません。 この人数では演技もままならず(教会にも入れないでしょう)、整列して歌う場面もありました。 しかしながら、それでも違和感を感じさせないところに、演出家の冴えを感じました。 オーク調の壁面で囲まれたこのホールは、とても音が響くホールでした 中でもサントゥッツァ(田中友輝子)とルチア(井上美和)の声がよく聞こえてきました。 田中友輝子さんは05年9月4日堺シティオペラ 《蝶々夫人》で感心したスズキ以来のちょっとファンで、サントゥッツァは2007年10月6関西歌劇団公演で拝見したことがあります。 井村誠貴さんの指揮は彼の目指す音楽が良く分かる、推進力に満ちたものでした。 ![]() 《ジャンニ・スキッキ》 ジャンニ・スキッキ:松澤政也 ラウレッタ:稲森慈恵 リヌッチョ:清原邦仁 ツィータ:児玉祐子 ゲラルド:島袋羊太 ゲラルディーノ:喜多ゆり ネッラ:柴山 愛 ベット:中野嘉章 シモーネ:片桐直樹 マルコ:菊田隼平 チェスカ:藤原未佳子 グッチョ:山中雅博 ピネッリーノ:田中 勉 医者(兼公証人):竹内直紀 上にも書いたように、僕が今までに見た《ジャンニ・スキッキ》で一番面白かったのは2005年10月に広島で見た岩田達宗さんの演出。 僕には《ジャンニ・スキッキ》の音楽には美しいメロディーが足りないと思っているのですが、今日の舞台は、プッチーニが岩田さんと相談しながら作曲したのかと思うほど、演技と音楽が合っていました。 字幕は残念ながら河内バージョンでは無く、広島の方がインパクトがありました。 何度も書いているけれど、ラウレッタのアリア「私の優しいお父さん」は納得できません。 アリアになると、太田博之が主演したNHKのドラマ 「ふしぎな少年」で「時間よとまれ!」と叫ばれたときのように、ラウレッタ以外の動きが止まってしまう。 ラウレッタはスキッキにお願いしながら、どうして一歩も動かないのか? スキッキは愛する娘が「川に身を投げる」とまで言っているのに、何の反応も無いのか? ということで、僕の理想のジャンニ・スキッキは2001年10月28日に見たジュゼッペ・タッデイになるわけです。 キャストではリヌッチョの清原邦仁さん。 2009年10月25日の関西歌劇団《三部作》でリヌッチョを聴いて感嘆して以来、ちょっと追っかけをしています。 2013年8月24日には《ドン・カルロ》の演出をされるようで、多才な方ですね。 |