セントラル愛知定期演奏会 ハイドン『天地創造』
2012年3月16日(金)6:45PM しらかわホール

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 毎回楽しみにしている齊藤一郎&セントラル愛知交響楽団ですが、今回の演目はハイドン晩年の傑作として名前だけは知っている (^_^ゞ オラトリオ『天地創造』。
 この曲を聴くのは一生でこの一度だろうと思って、仕事を抜け出して駆けつけました。

 セントラル愛知定期演奏会 ハイドン『天地創造』
 2012年3月16日(金)6:45PM しらかわホール

 指 揮:齊藤一郎
 大天使ガブリエル:大須賀園枝
 大天使ウリエル:波多野均
 大天使ラファエル:末吉利行
 エヴァ:五十君綾子
 アダム:岸 豊大
 天地創造合唱団

 演奏前に演出家の池山奈都子さんのトークがありました。
 セントラル愛知交響楽団とは2009年7月《フィデリオ》以来のおつきあいで、この曲を分かりやすくするために字幕や映像で協力をしたということです。
 思い返せば、僕はこの《フィデリオ》に圧倒的な感銘を受けて、セントラル愛知交響楽団の定期会員になったのでした。

 『天地創造』の演奏は全3部を休憩無しでおよそ2時間かけて行われましたが、これは少々辛かった。

 会場はほぼ満席で、渋い演目なのに不思議でした。
 合唱団関係かな?

 まずはハイドンの作品が素晴らしい。
 この曲はロンドン滞在中に聴いたヘンデルの《メサイヤ》に影響を受けて作曲されたということです。
 そして、黛俊郎さんの《古事記》に影響を与えていると思いました。
 題材は旧約聖書の『創生記』とミルトンの『失楽園』だそうです。

 第一部で天地創造の第1日から第4日までが、第二部では第5日、第6日が歌われます。
 第三部はアダムとエヴァ(イブ)の物語。
 蛇が出てくる前の、愛に満たされた二人が神への賛美を歌い上げます。

 池山さんによれば天使は性別不明だそうで、主に男性とされている。
 その中でガブリエル(受胎告知で有名)だけは女性らしい、とのこと。

 大須賀園枝さんは名芸大の学生時代から綺麗な方だと思っておりましたが、ますます美貌に磨きがかかっているようです (^_^) 。
 声楽的にも充実した、期待以上の歌唱でした。
 卒業後は姿を見ないなと思っていたのですが、プログラムによれば、佐々木典子さんに師事し、東京二期会の会員になっておられるそうです。
 また名古屋の舞台でお姿を拝見したいものです。

 ラファエルの末吉利行さんは愛知県立芸術大学の教授で、2006年11月の市民コーラス《ニュルンベルクのマイスタージンガー》で感心したことがあります。
 本日も期待どおりの歌唱でした。

 エヴァ役の五十君綾子さんは、もちろん大須オペラ《カルメン》のミカエラ
 そのことがプロフィールに書かれていないのは残念でした。
 僕のように《カルメン》以来の追っかけもいるのですから (^_^; 。
 名前の読み方が「いそぎみりょうこ」だというのには驚きました。
 五十君さんにとっては《カルメン》以来の大舞台ではないかと思うのですが、立派に歌っておられました。

 「天地創造合唱団」がまた立派な演奏で、メンバーを見るとオペラの舞台で歌っているメンバーも名前を連ねている。
 山田正丈さんとか若井雄司さんとか。

 齊藤一郎さんの指揮の素晴らしさは言うまでも無く、身長の高い齊藤さんが指揮棒を上へ上へと突き上げると、限りなく雄大な音楽がオーケストラ、合唱から沸き上がってくるんですね。

 しかし、14日(水)に山田和樹さん&名フィル、そして16日(金)に齊藤一郎さん&セントラル愛知交響楽団を聴くことが出来るとは、名古屋もなかなか捨てたものではないなと思いましたよ (^_^) 。