オペラ de 神戸《蝶々夫人》 2016年3月13日(日)2:00PM 神戸文化ホール大ホール |
本日は名古屋ウィメンズマラソンが行われましたが、僕は神戸まで《蝶々夫人》を見に行ってきました。 2015年10月に上演された名古屋二期会《宗春》のカーテンコールで、指揮者・矢澤定明さんに対するオーケストラの熱狂的な拍手喝采に驚きました。 県芸の先生と学生オケとの関係からの拍手かと思いましたが、本当に素晴らしい指揮者なのか確認したくて神戸まで遠征してみたわけです。 神戸文化ホールは地下鉄大倉山駅のそばにあります。 ところが、大倉山駅は地下3階にあり、ホールの2階までの長い階段がただ事ではありません。 座席について、ちょっと痙攣しました。 また、驚いたのは座席のナンバーで、最後列が第1列になっていること。 このようなホールは見たことがありません。 このホールは湊川神社に近く、楠木正成の言い伝えでもあるのかと思いました。
オペラ de 神戸《蝶々夫人》 2016年3月13日(日)2:00PM 神戸文化ホール大ホール プロデュース:井上和世 指 揮:矢澤定明 演 出:井原広樹 蝶々夫人:並河寿美 ピンカートン:藤田卓也 シャープレス:萩原寛明 スズキ:名島嘉津栄 ゴロー:福嶋 勲 ボンゾ:澤井宏仁 ヤマドリ:石原祐介 ケイト:肥田真莉子 ドローレ(子役):井上真由香 管弦楽 日本センチュリー交響楽団、神戸市室内合奏団 合唱:オペラ de 神戸合唱団 須磨ニュータウン少年少女合唱団 キャストでは、主役の3人が素晴らしかったです。 東京に行っても、関西に来ても、並河寿美さんが歌っています。 並河寿美さんを初めて意識したのは、05年9月4日堺シティオペラの《蝶々夫人》でしたが、あれから11年ですか。 第一幕の二重唱で寝所に誘う場面、ピンカートンは蝶々さんの白無垢を剥ぎ取り、下着姿の蝶々さんが胸を押さえて恥ずかしがる場面は初々しくて良かったですね。 剥ぎ取るのに、ちょっと手間がかかっていたかな? 瞬間芸ですね。 スズキは演出で損をした感じ。 他のキャストでは、全般に男声に迫力がありました。 お目当ての矢澤定明さん(愛知県立芸術大学非常勤講師)は、とても良かったです。 これからの名古屋のオペラ公演は、矢澤定明さんと県芸の学生オーケストラに任せれば良いでしょう。 日本センチュリー交響楽団は、最初はミスもあったものの、最後にかけて盛り上がりました。 井原広樹さんの演出は信頼していたのですが、残念ながら不満が多かった。 舞台の前と後ろの間に大きな障子があって、意味も無く(と思えました)開閉するのがうっとうしい。 メットライブビューイングのアンソニー・ミンゲラや、愛知トリエンナーレの田尾下さんの影響を受けているのでしょうか? 合唱団は異様に多く、結婚式の場面など政治家のパーティを思い出しました。 それはいいのですが、第一幕のピンカートンとシャープレスの二重唱に子供たちが現れ、下手な遊戯をします。 第二幕ではヤマドリと一緒に多くの合唱団が現れます。 第三幕にも出てきまして、邪魔でした。 「蝶々さんは奥の部屋から、子供を左肩の上に座らせて現れ、シャープレスに子供を誇らしげに見せる」、という一番泣ける場面では、子供がたまたま走り出てきたようでガッカリです。 「花の二重唱」では、天井からバサバサと枯れ葉が落ちてきました。 この枯れ葉は他の幕でも、2枚ほど落ちてきました。 子役の井上真由香ちゃんは可愛かった。 蝶々さんに「行って お遊び!」 と言われた真由香ちゃんは、5歩(?)歩いて蝶々さんを振り返る、という演技を繰り返します。 しかし、とうとう「ママー!」と蝶々さんに駆け寄り、蝶々さんに抱きついてしまいます。 蝶々さんは真由香ちゃんをけっこう本気で突き飛ばし、真由香ちゃは「お母さんのバカ!」という感じで泣きながら下手にかけ去り、蝶々さんは自決するわけです。 僕は最高の《蝶々夫人》の演出は藤原歌劇団の粟國安彦さん、次が東京二期会の栗山昌良さん、そして3番目がメットライブビューイングのアンソニー・ミンゲラだと思っています。。 栗山さんとミンゲラの舞台はテレビで放映され録画しましたが、粟國安彦さんの舞台もぜひぜひ映像化していただきたいものです。 |