セイジ・オザワ 松本フェスティバル 《エフゲニー・オネーギン》
2019年8月22日(木)3:00PM まつもと市民芸術館・主ホール

「REVIEW19」に戻る  ホームページへ  「ロバート・カーセン観劇記録」
 
 
 セイジ・オザワ 松本フェスティバル
 チャイコフスキー《エフゲニー・オネーギン》
 2019年8月22日(木)3:00PM
 まつもと市民芸術館・主ホール

 指揮:ファビオ・ルイージ
 演出:ロバート・カーセン

 エフゲニー・オネーギン:レヴァント・バキルチ
 タチャーナ:アンナ・ネチャーエヴァ
 レンスキー:パオロ・ファナーレ
 オリガ:リンゼイ・アンマン
 グレーミン公爵:アレクサンダー・ヴィノグラドフ
 ラーリナ夫人:ドリス・ランブレヒト
 フィリーピエヴナ:ラリッサ・ディアトコーヴァ
 トリケ:キース・ジェイムソン
 隊長、ザレツキー:デイヴイッド・ソアー

 管弦楽:サイトウ・キネン・オーケストラ
 合 唱:東京オペラシンガーズ
 ダンサー:東京シティ・バレエ団

 僕が初めてロバート・カーセンの演出を見たのは1995年6月6日、イングリッシュ・ナショナル・オペラにおけるブリテン作曲《真夏の夜の夢》でした。
 これは彼の出世作とされる作品で、奇想天外なアイディアに溢れ、僕はすっかりロバート・カーセンのファンになってしまいました。

 日本では2001年9月3日《イェヌーファ》2004年5月8日《ラ・ボエーム》2005年3月13日《エレクトラ》2007年3月18日《タンホイザー》と、小澤征爾さんとの共同作業が続いています。

 ファビオ・ルイージは2011~2017年のメトロポリタン歌劇場首席指揮者。
 タチャーナのアンナ・ネチャーエヴァは2008年1月23日に行なわれた「マダムバタフライ世界コンクール/モルドヴァ大会入賞者祝賀演奏会」で笛田博昭さんと《蝶々夫人》第一幕の愛の二重唱を歌った美貌のソプラノ。
 今はボリショイのソリストでしょうか?
 プログラムのプロフィールが酷いもので、彼女が演じた演目の羅列で、知りたい情報が全く書かれていないという。

 かつてのMETの演目を、かつてのMET首席指揮者が指揮するありがたい機会なので、日帰りで行ってきました。
 まつもと市民芸術館は初めて入りましたが、椅子の間が狭くて、居心地が悪かったです。

 プログラムには「カナディアン・オペラ・カンパニー所有のプロダクションを使用。この《エフゲニー・オネーギン》はメトロポリタン歌劇場で初演されたプロダクションです」と書かれていました。
 最近WOWOWで放送されたMETライブビューイング《エフゲニー・オネーギン》(ネトレプト主演)はデボラ・ワーナー演出となっていました。

 期待したロバート・カーセンの演出ですが、意外に普通のものでした。
 カーセンらしい大道具の少ない、空間の広い舞台でしたが、「手紙の場」や決闘シーンなど、もう少しアイディアを期待したい。
 カーセンに対する期待が大きすぎるのでしょうか?
 第3幕第2場のオネーギンとタチャーナの二重唱も、今回のような演出では、タチャーナの揺れる思いが分かりにくいでしょう。

 思い出すのは2007年に見たザルツブルク音楽祭《エフゲニー・オネーギン》(指揮:ダニエル・バレンボイム 演出:アンドレア・ブレス)。
 オネーギンがタティアーナに言い寄る場面では、黒い下着姿のタチアーナの居室に忍び込んだオネーギンは後ろから彼女に襲いかかり、彼女を押し倒して上に乗っかりながら歌い続けました。
 これも一回見れば充分ですけれどもね (^_^ゞ。