名フィル第511回定期演奏会 川瀬賢太郎音楽監督就任記念
2023年4月8日(土)4:00PM 愛知県芸術劇場コンサートホール

『REVIEW23』に戻る  『ホームページへ』
  
  
 名古屋フィルハーモニー管弦楽団第6代音楽監督に就任された川瀬賢太郎さんの就任披露演奏会です。
 これは素晴らしいコンサートとなりました。

 名フィル第511回定期演奏会
 川瀬賢太郎音楽監督就任記念

 指揮:川瀬賢太郎
 コンサートマスター:荒井英治
 首席オーボエ:蠣崎耕三(読売日本交響楽団)
 第2ホルン:五十畑勉 (東京都交響楽団)
 第3ホルン:倉持幸朋(広島交響楽団)
 第3トロンボーン:小西元司(京都市交響楽団)

 2023年4月8日(土)4:00PM
 愛知県芸術劇場コンサートホール

 ハイドン:交響曲第86番ニ長調
 マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調

 ハイドンの曲はもちろん初めて聴く曲ですが、スッキリしたバランスがとれた演奏かと思いました。
 ハイドンは交響曲を106曲作曲したそうですが、それだけのメロディーが溢れ出る才能には驚くしかありません。
 第1ヴァイオリン4プルットの編成でした。

 僕はハイドンの史跡も訪ねておりまして、ハイドンが最後に住み、《天地創造》《四季》などが作曲されたハイドン記念館はこちら。
 ハイドンが埋葬されたフントシュトルム墓地は1874年に閉鎖され、1926年にハイドン公園となりました。
 1820年にハイドンの遺体がアイゼンシュタットのベルク教会に移されたときに、頭部が無くなっていることが判明しました。
 ハイドンが活躍したエステルハージー宮殿はこちら、住居はこちらです。

 後半のマーラー5番は第1ヴァイオリン8プルットの大編成。
 大人数なのにすべてのパートが聴き取れて、全体としてまとまっている。

 どのパートも素晴らしい演奏でしたが、曲の作りからいって前半は第1トランペットの宮本弦さん、後半は第1ホルンの安土真弓さん。
 特にホルンがこれほど力強く聞こえた演奏は記憶にありません。
 安土さんの実力と川瀬さんのオーケストラコントロールがなせる技でしょう。

 マーラーの5番は何回か聴いていますが本日はゾクゾクする部分が多く、これ以上の演奏はなかなか聴けないだろうというくらい感動しました。
 演奏後、各パートが起立し拍手を受ける場面では、ステージ上の楽員も拍手をしており、彼らにとっても納得、満足できる演奏だったのでしょう。

 これからの川瀬さんの活躍が期待されますが、定演予定に難しそうな曲が並んでいるところが心配です。
 まあ、川瀬さんを信頼して付いて行くしかありませんね。

 コロナによる制限から解放され、演奏後は「ブラボー!!」が飛んでいました。
 僕はテストケースでマスク無し、手指消毒無しでチャレンジしましたが、特に問題なし。
 マスクをしていない人は数名でしたね。

 20年も前のこと、僕は山田一雄さん指揮する東海学生オーケストラ連盟の練習を見学する機会に恵まれました。
 曲はマーラーの5番でしたが、「どうして指揮棒に合わせて下さらないの!」というオネエ言葉に驚きました。
 あの頃はまだ山田先生の偉大さを知らなかったんですね。
 本番では冒頭のトランペットが緊張しすぎて気の毒でした。

 1991年8月7日、僕は交響曲第5番が作曲されたヴェルター湖畔のマイヤーニッヒ(現地ではマイヤーニック)を訪れました。
 鉄道が通る対岸のペルチャッハ(ブラームス交響曲第2番)と較べ、マイヤーニッヒは静かな村でした。
 マーラーの別荘は湖岸に面し、まさにアダージェットの世界です。
 作曲小屋は山の中にあり、どうやってピアノを引き上げたのかが不思議でした。