藤原歌劇団名古屋公演 《ナヴァラの娘》《道化師》
2018年 2月 4日(日)2:00PM 愛知県芸術劇場大ホール

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 笛田博昭さんの当たり役カニオは、今までに4回聴いたことがあります。
 長久手の公演はDVDを持っておりまして、若々しい歌声が微笑ましい。
 
 1)ニューイヤ-ガラコンサート NCO 2008
  2008年1月6日(日)2:00PM 北名古屋市文化勤労会館大ホール
 2)NCO第2回公演
  2008年3月21日(金)6:30PM 長久手町文化の家森のホール
 3)名古屋芸術大学オペラ公演
  2009年3月18日(水)6:30PM 中京大学文化市民会館プルニエホール
 4)藤沢市民オペラ
  2010年11月14日(日)2:00PM 藤沢市民会館大ホール

 ついでに、笛田さんのオペラデビューは2000年3月16日の名古屋芸術大学第22回オペラ公演《カルメン》(3年生)で、舞台はこの愛知県芸術劇場大ホールでした。


 藤原歌劇団名古屋公演《ナヴァラの娘》《道化師》
 2018年 2月 4日(日)2:00PM
 愛知県芸術劇場大ホール

 総監督:折江忠道
 指 揮:柴田真郁
 演 出:マルコ・ガンディーニ

 《ナヴァラの娘》
 アニタ:小林厚子
 アラキル:小山陽二郎
 レミージョ:坂本伸司
 ガリード:田中大揮

 《道化師》
 カニオ:笛田博昭
 ネッダ:砂川涼子
 トニオ:牧野正人
 ペッペ:所谷直生
 シルヴィオ:森口賢二

 合 唱:藤原歌劇団合唱部
 管弦楽:セントラル愛知交響楽団

 マスネ作曲《ナヴァラの娘》は日本初演の演目です。
 恋人アラキルの父親から「結婚したいなら持参金を用意しろ (@o@)」と言われたアニタは、夜に敵陣に侵入し敵将を殺害し報奨金を受け取ります。
 しかしアラキルから不貞を疑われ、アラキルは戦死してアニタは発狂する、というストーリーには忙しい。
 曲は充実した内容かと思いましたが、次々とストーリーが進むので、ハイライトを見ている感じもしました。
 アニタ役の小林厚子さんは八王子の蝶々さんに感心してから、また聴いてみたいものだと思っていましたが、厚みのある素晴らしい歌唱でした。
 驚いたことに、コーラスを含む登場人物に、女性は小林さん一人だけでした。

 《道化師》は《ナヴァラの娘》の戦場の町に平和が訪れた時代を設定しているそうで、舞台を囲む高い壁は2つのオペラで共有されています。

 牧野正人さんのプロローグは客席最前列の通路で歌われました。
 服装はフロックコート (@o@)で背中の瘤も無く、通常のようなトニオでは無く、案内係という感じでした。
 僕は2007年10月6日の関西歌劇団公演で田中勉さんのプロローグに驚嘆してからこの曲が大好きで、本日の牧野さんも素晴らしかった。

 カニオは初老(たぶん5~60代)の役柄です。
 笛田さんは現在39歳でしょうか、だんだんカニオの年齢に近づいていますね。
 笛田さんの歌声はいつものように神々しかったです。

 『衣装を着けろ』を歌って舞台後方に去って行く笛田さんに「ブラヴォー!」と拍手がいつまでも続きますが、カーテンコールの幕が上がることはありませんでした。
 カーテンコールの最後に笛田さんが登場すると会場が爆発します。
 歌唱が素晴らしかったためもあるのですが、名古屋は笛田さんが12年間住んだ「第2の故郷」ですからね (^_^) 。

 ネッダは「鳥の歌」、トニオとの二重唱、シルヴィオとの二重唱と歌い続けで大変な役柄だと思いましたが、砂川さんはキャラクターが合わなかったでしょうか。

 間奏曲でトニオ (@o@)が衣装を着けるというパントマイムがありましたが、じっくりとこの美しい間奏曲を聴きたかったですね。
 街の人びとの中ではアクロバット(油布直輝)が大活躍でした。

 マルコ・ガンディーニの演出は大きな壁で囲まれたスケールの大きい空間で、グランドオペラと言っていいでしょう。
 ストーリー通りに進行するのも好ましい。
 柴田真郁さん指揮するセントラル愛知交響楽団はキビキビとした演奏で、舞台を盛り上げていました。

 終演後にキャスト並んでのお見送りがありまして、その時は握手させていただいたのですが、今となってはあれを聞いておけば良かった、これを聞いておけば良かったと、クヨクヨしています (^_^ゞ。