藤原歌劇団名古屋公演 プッチーニ作曲《ラ・ボエーム》 2021年2月6日(土)2:00PM 愛知県芸術劇場大ホール |
《ラ・ボエーム》は2007年1月27日、笛田博昭さんの藤原デビューとなったオペラです。 彼のドラマティックな声はロドルフォには合わないと思うのですが、周囲の強い勧めがあったようです。 あれから14年、今や日本トップテノールの一人となった笛田さんのロドルフォと三重大学出身の伊藤 晴さんのミミと名古屋芸術大学出身の伊藤 貴之さんのコッリーネを聴きに愛知芸術劇場大ホールに行ってきました。 ![]() 藤原歌劇団公演 プッチーニ作曲《ラ・ボエーム》 2021年2月6日(土)2:00PM 愛知県芸術劇場大ホール 指揮:鈴木 恵里奈 演出:岩田 達宗 管弦楽 :セントラル愛知交響楽団 合唱 :藤原歌劇団合唱部 ミミ :伊藤 晴 ロドルフォ :笛田 博昭 ムゼッタ :オクサーナ・ステパニュック マルチェッロ :須藤 慎吾 ショナール :森口 賢二 コッリーネ :伊藤 貴之 ベノア : 豊島 祐壹 アルチンドロ :東原 貞彦 パルピニョール :井出 司 藤原歌劇団《蝶々夫人》(2019年4月27日)であまり感心しなかった鈴木 恵里奈さんの指揮ですが、今日も飛ばす飛ばす。 これでしみじみと《ラ・ボエーム》の世界を楽しむことも出来ません。 たださえ短いこのオペラが、ますます早く終わってしまいました。 岩田さんの演出は前回(2007年1月27日)と同じく、佐伯祐三(1898年(明治31年)4月28日~1928年(昭和3年)8月16日)の描いたパリの絵画の世界にボエームの物語を落とし込んだもの。 趣味の良いものですが、この巨大ホールにはスケールが小さかったでしょうか。 1月3日の『NHKニューイヤーオペラコンサート』で調子が悪かった(と感じた)笛田さんですが、「冷たいこの手」のハイCも決まって一安心、と思ったら一幕最後の二重唱のテノールを下げて歌っている! ここで僕は強い危機感を持ちました。 伊藤 晴さんのミミは歌は良かったけれど、演技に動きがなく、ひたすら暗い。 とても男性と恋をするタイプには見えません。 《RENT》のミミの積極性を参考にしていただきたい。 第二幕はコロナ流行のため少年合唱団が録音で、舞台が寂しい。 ムゼッタのステパニュック(藤原歌劇団員)は演技、歌唱とも、この役に必要な艶っぽさがない。 第三幕になって笛田さんの声が崩壊しました。 オクターブ下げたり、二重唱をサボったり、なんとか舞台を進めようと奮闘する笛田さんですが、声を張り上げると声が割れてしまう。 こんな笛田さんを見るのは3回目です。 10)2006年 7月 2日(火)3:00PM 第37回イタリア声楽コンコルソ@すみだトリフォニーホール 34)2010年11月18日(木)6:45PM テノールリサイタル @ 宗次ホール 第三幕は大好きですが、こうなると何と書いて良いのやら。 この公演はコロナ対応でフェイスシールドを着けて演じられましが、天井の照明が反射して、絶命していくミミがどちらを向いているのか分からないのは酷かった。 カーテンコールの拍手は大きかったけれど、笛田さんは合掌してお詫びをしておられました。 3月20日のリサイタル@宗次ホールまでに回復されることを祈るのみです。 来年の予定は《イル・トロヴァトーレ》(2022年2月5日)。 これは三河オペラが素晴らしかったので、ちょっと苦しいでしょうか。 6月26日に予定されていたパレルモ・マッシモ劇場《仮面舞踏会》は公演中止になったそうです。 バルバラ・フリットリは2018年6月びわ湖ホールの《イル・トロヴァトーレ》もキャンセルたし、もう彼女の舞台を見ることは出来ないのでしょうか。 《修道女アンジェリカ》のDVDで我慢しますか。 話は全然変わって、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の会長である森前首相が「女性は話が長い」と言ったとかで、マスコミで袋叩きになっています。 2016年春に、森さんは肺がんの転移で胸水がたまり危篤状態となり、最後の別れをするために家族が枕元に呼ばれたそうです。 試しにオプジーボという抗がん剤(本庶 佑、ノーベル賞、高額)を投与したところ奇跡的に胸水が消えたたそうです。 森さんは財界人が逃げ回る中で、その残された命を削りながら、無償のボランティアで公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の会長をしておられるのです。 2016年10月、リオオリンピック・パラリンピックのメダリストのパレードが東京・銀座で行われました。。 しかし、事務局の案にはパラリンピックのメダリストは載っておらず、森さんの強い指示でパラリンピックの選手も銀座のパレードに参加できるようになったそうです。 ラグビー・ワールドカップやオリンピックなど森さんほどスポーツに貢献している政治家はいないわけです。 またプーチン大統領、アジア、アフリカの首脳との交友も広く、「まさに余人を持って代えがたい」人物なのです。 ネットニュースによれば、辞意を伝えられた武藤敏郎 - 組織委員会事務総長は泣いて翻意を促したそうです。 それはそうでしょう、大蔵・財務事務次官、日本銀行副総裁を歴任しても、森さんの代わりは出来ないんだから。 東京オリンピックを開き、日本の経済を復活させたいのなら、面白半分のマスコミやワイドショーに乗せられてはいけません。 また話は変わって、クリストファー・プラマーが91歳で死亡したそうです。 彼がトラップ大佐を演じた映画「サウンドオブミュージック」が上映されたのは1965年。 この映画は大好きで、1日3回見て(当時は入れ替え制なし)いつかはロケ地を訪れたいものだと思っていました。 『サウンド・オブ・ミュージック』ロケ地探訪 暗い学生生活の希望の星でしたね。
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