2011年を振り返って |
◇2011年を振り返って 期待と感動は反比例の関係にあると思います。 だから、五嶋みどり(6/19)が素晴らしい演奏をしても、それは当たり前のこと。 やはり初めて見たもの、聴いたものの方が衝撃を受けるわけです。 ベストワンはラチャ・アヴァネシヤン(9/17)。 この人は五嶋みどり、ヴェンゲーロフに続く、真の天才です。 他のヴァイオリニストではシェロモ・ミンツの「シャコンヌ」(3/14)、アリーナ・イブラギモヴァのショスタコーヴィチ「ヴァイオリン協奏曲」(11/19)、アラベラ・美歩・シュタインバッハー(5/11)でしょうか。 ピアニストでは、まずチョ・ソンジン(11/25)。 文句の付け所がありませんでした。 他にはデニス・コジュヒン(2/22)、 マレイ・ペライア(11/3)、北村朋幹(4/9)。 弦楽四重奏もよく聴きまして、最高はエベーヌSQ(11/5)。 彼らは4人で一つの楽器となり、クラシックの演奏にも圧倒されましたが、現代の音楽にも挑み、新しい弦楽四重奏の世界を開いていく姿勢が好ましい。 あとはアトリウムSQ(5/25)も良かった。 ハーゲン・クァルテット(10/25)は内田光子さん抜きで聴きたかったですね。 オーケストラでは アシュケナージ&シドニー交響楽団 のラフマニノフ「交響曲第2番」(11/9)、尾高忠明&名フィルのエルガー「ニムロッド」、アルミンク&新日フィルの「ブラームスはお好き?」(9/4)。 地元名古屋では川瀬賢太郎&名フィル(9/9)、斎藤一郎&セントラル愛知交響楽団の若い指揮者が楽しみです。 オペラでは関西歌劇団《イル・トロヴァトーレ》(11/13)には興奮しました。 バイエルン歌劇場《ナクソス島のアリアドネ》(10/5)、 あらかわバイロイト《神々の黄昏》(9/25)、ボローニャ歌劇場《清教徒》(9/11)、アルミンク&新日フィル《トリスタンとイゾルデ》(7/18)。 声楽関係では 「笛田博昭 & 大隅智佳子」(10/22)。 日本最高のテノールと日本最高のソプラノの初顔合わせという歴史的コンサートで、仕事をさぼって東京まで出かけた甲斐がありました。 名古屋から世界に羽ばたいている渡部純子さんの《蝶々夫人》(3/25)にも圧倒されました。 |